環境問題はいつから始まったのか? 汚染の歴史とは
環境問題とは人間が自然に対して、過剰に接触したことから起こる問題です。 もともとは人も自然の一部であり、与えられた環境の中で自然と共存していたはずですが、いつからか人間は環境を歪める存在となってしまいました。 これは人間が様々な技術を手に入れたことで、可能になったと言えるでしょう。
それでは、いつから環境問題と言われるものが始まったのでしょう。 環境問題の始まりについて考えてみましょう。
環境問題の歴史は産業革命から始まった
人間は道具を使うことを覚え、農業を始め、人口を少しずつ増やしていきました。 まだ機械を扱うことすら知らないときから、自然資源の利用していた人間ですが、それを爆発的に拡大させたのは、18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命からだと言えるでしょう。
産業革命から人はエネルギーを利用する技術を発明し、今まで以上の力を発揮する術を得ました。 蒸気機関が開発され、機械が活躍する場面が増えたのです。 これらを動かすには石炭や石油が必要で、この他にも自然から鉱物や生物資源が集められました。
そして、それらから得られるエネルギーは、人が衣食住に必要な製品を次々と作り出し、都市の繁栄につながりました。 産業革命後、便利で快適な生活が可能になりましたが、こうした活動が拡大したことで、自然との調和が乱れ始めたのです。 それが環境問題へと発展してしまいます。
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自然の自浄作用を超えた公害の歴史
19世紀に入り、工場から排出される汚染物質が公害問題を起こすようになりました。 大気汚染物質は少量であれば、大気が持つ浄化力によって分解され、人に影響を及ぼすことはありません。 しかし、あまりにも量が多かったことで、大気の浄化力が追い付かず人々の健康に悪影響を及ぼしたのです。
代表的な例は、イギリスではロンドンスモッグです。 ロンドンは冬に濃い霧が出ることで有名ですが、その時期は石炭燃料の利用によって、煙や煤が霧に混ざり、呼吸器疾患など多くの被害が出ました。 そのスモッグは人々の家にまで侵入し、目の痛みや喉の痛みを訴える人が後を絶たず、多くの死者を出しました。 他にも汚染物質による水質汚染、土壌汚染なども発生し公害問題による人間への被害が深刻なものへとなったのです。
さらに、20世紀に入ると人口が爆発的に増加し、産業活動も活発化しましたことで、多くの資源が必要とされました。 農地の拡大や都市建設のため、森林伐採や海浜が埋め立てられ、自然が歪められていったのです。
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地球規模の環境問題へ
国境を越えて汚染が広がるだけでなく、ついに地球規模の環境問題が発生します。 それが、成層圏のオゾン層破壊、つまりは地球温暖化です。
1896年、スウェーデンの科学者であるスヴァンテ・アレニウス(Svante Arrhenius)が、二酸化炭素による温室効果が地球の表面温度に影響を与えていると発表しました。 しかし、当時はそれほど重要視されることがなく、1970年代に入って多くの研究者が地球温暖化の危険性に気付き始めました。 1980年代には、地球温暖化に関する研究が進み、この問題を解決するための、いくつかの条約が結ばれました。
大きな環境問題は地球温暖化だけではありません。 現在も人口増加や人間の活動によって、自然は歪められ続けています。 そのため、各地で環境問題が発生し、食糧不足や健康悪化などの問題が見られています。 もし、環境の問題で多くの難民が発生した場合は別の問題が発生する恐れもあるのです。
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環境問題の歴史は浅い!課題が増えないよう意識を
1960年頃から国際的に環境問題に取り組む動きが出てきました。 1970年代にはスイスに本部を置く研究機関、ローマクラブが「成長の限界」と言われる報告書を作成します。 そこには、人間がこのまま活動すれば、エネルギーや資源の枯渇、農業生産力の低下や環境汚染によって、人間の活動に大きな影響をもたらすと書かれていました。
1972年、国連人間環境会議が開かれ、世界的に環境問題に取り組むための国連環境計画が設立されます。 その他にも様々な環境問題に対する会議や条約が結ばれ、人間と自然が共存できる方法が話し合われています。
しかし、これらの歴史は人類の歴史に比べると、まだ浅いものです。 これからも、どのように取り組むべきか、どのように改善していくべきか、課題は山積みでしょう。 少しでもその課題を減らすために、私たちひとりひとりが環境を意識したライフスタイルに変えていく必要があるかもしれません。