トナカイが温暖化で減少?ソリを引く由来とは【絶滅動物シリーズ】

トナカイが温暖化で減少?ソリを引く由来とは【絶滅動物シリーズ】

クリスマスシーズンも近付き、子供だろうが大人だろうが、サンタクロースがやってくることを期待してしまう日々ではないでしょうか。

そんなサンタの相棒として知られるトナカイですが、実は個体数を減少させ、絶滅が危惧されていることをご存じでしょうか。 また、今更ではありますが、トナカイはなぜサンタのソリを引く相棒のポジションとして定着しているのでしょう。

トナカイの減少やサンタとの関係について、ご紹介いたします。

トナカイの個体数が減少して絶滅危惧種に

トナカイは、哺乳綱鯨偶蹄目シカ科トナカイ属の動物で、主にアメリカやカナダ、グリーンランド、ノルウェー、フィンランドに生息します。 シカ科では唯一、雄雌両方に角があり、この用途は繁殖期に雄同士の抗争としてだけではなく、雪を掘って餌を得るためでもあります。

そんなトナカイですが、体重の減少や餓死する個体が増えたことが確認されています。 ノルウェー北部にある、スヴァールバル諸島のトナカイの減少は特に話題となり、1990年代には成獣になった時点で55キロあった体重が、2010年に生まれたトナカイは同じく成獣になった時点の体重が48キロまで落ちた、 と言われています。

さらに、2019年の夏には同諸島で餓死したトナカイの死体が、200以上も発見されました。 その数は研究者も「これまで多くの死体を見たことがない」というほどの量でした。

なぜ、トナカイはこれほど体重を減らし、個体数も減らしてしまっているのでしょうか。

トナカイ減少の原因は温暖化が関係か

トナカイが減少してしまった理由は温暖化が関係しているのではないか、と言われています。

トナカイはコケや野菜を食料とします。 それら食料は、冬の間は雪や氷に覆われてしまいますが、トナカイは数センチの氷であれば割ることができます。 しかし、温暖化により雪が雨に変わり、地面を覆う氷が分厚くなってしまったことから、食料確保できなくなってしまい、個体数が減ってしまったと考えられているのです。

また、トナカイが減少している原因は、温暖化だけではありません。 森林の伐採や鉱物資源の採掘調査などにより生息地が脅かされ、他にも密猟目的で捕獲されることから、トナカイの個体数が減少しているのです。

クリスマスになるとトナカイのキャラクターをよく見ることから、身近な存在であるような印象がありますが、実はこのような悲劇と隣り合わせで生きていると思うと、とても悲しい気持ちになってしまいますね。

なぜトナカイはサンタのソリを引く?

そう言えば、どうしてトナカイはサンタの相棒のような存在となり、ソリを引いているのでしょうか。 トナカイとサンタの関係、そしてその起源などをご紹介します。

サンタの起源

まず、サンタとは何者なのか、ということも気になることではないでしょうか。

サンタは、270年頃から352年頃に存在した、キリスト教の司教、聖ニコラウスがモデルになっていると言われています。

三人の娘を身売りしなくてはならないほどの貧しい家族の存在を知ったニコラウスは、真夜中にこの家を訪れて、窓の外から金貨を投げ入れたところ、暖炉に下げられていた靴下の中に入った、という逸話から、サンタの伝承が生まれたと言われているのです。

トナカイの起源

それでは、そのニコラウスがトナカイを飼っていたのか、と言えばそういうわけでもないようです。

サンタがトナカイと一緒に描かれたのは、1820年代に登場した本「聖ニコラウスの訪問」や、絵本である「子供たちのお友達」ではないかと言われています。 絵本などに初めて出てきたのはわかりますが、なぜトナカイなのでしょうか。

それは、昔から「魔法が使える」と言われていたサーミ人という、ロシア北部などにいた遊牧民族がトナカイをつれていたことから、サンタの神秘的なイメージに合うとして取り入れられたのではないか、という説があるそうです。

ちなみに、このサーミ人は映画「アナと雪の女王2」で、主人公のエルサと深い関係がある魔法の民、ノーサルドラ人のモデルとも言われています。それだけ、サーミ人は神秘的なイメージがある、ということですね。

つまり、聖ニコラウスの逸話と、神秘的なイメージがあったサーミ人のイメージが合わさって、サンタとトナカイの関係が築かれたのかもしれませんね。

トナカイを守るためには

このように、サンタと共に私たちをロマンチックな気持ちにさせてくれるトナカイですが、人間が生み出した環境問題によって苦しんでいる動物だと言えます。

私たちがトナカイのためにできることは限られています。 ゴミ分別の徹底や、エネルギーを無駄にしないことで二酸化炭素の排出を抑えることです。

小さなことではありますが、多くの人が意識すれば、大きな成果となるかもしれません。 ぜひ、小さなエコでも実践してみてください。

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