失われゆく身近な自然!人と自然が共存する場が減少中

失われゆく身近な自然!人と自然が共存する場が減少中

「身近な自然」と呼ばれる場所が減少しています。
身近な自然とは、どういう場所なのかと言うと、都市公園や私たちが暮らす場所の近くにある緑地などを言います。
これらを国際自然保護連合(IUCN)が、持続可能な開発に則った森林資源の活用と自然保護を両立し、人間の精神衛生にとっても必要なものとして、保護すべき場所だとしています。
日本に住んでいれば身近な自然を容易に想像できるかもしれませんが、地域によってはそのような環境がないこともあります。
それでは、減少する「身近な自然」とは、具体的にどのような場所を言うのでしょうか。

里地里山

里地里山とは集落とその周辺にある農地やため池、人に管理されている山や森林などが混在した場所のことを言います。
里地里山では農林業など人間の活動によって環境が形成され維持されてきました。
人間が手を入れることによって木々や、動植物が育まれる場所として認識されているだけでなく、里地里山は生物多様性の点でも重視される場所です。
また、薪炭材を摂取する場として利用もされていた里地里山ですが、薪や炭が使われなくなり、過疎化の問題も加わって、維持されることが少なくなってしまいました。
さらに住宅開発などによって、里地里山は失われつつあるのです。
日本では「生物多様性国家戦略」の中で里地里山の重要性が主張され、「里地里山保全活用行動計画」に基づいて重点的に取り組まれています。
参考:環境省 里地里山の保全・活用
里地里山を本来の姿に戻すためには、立木の枝打ちや間伐、林床にも日光が届くようにする、周囲の雑草の成長に負けないように下草狩りを行う、などの作業が必要です。
また、落ち葉や間伐材をバイオマスとして利用するなどの工夫も考えられるでしょう。
里地里山は景観が良く、日本の原風景の一つとして認識されています。
そのような場所を少しでも多く守り、大切な資源として使う必要性があると言えます。

屋敷林

屋敷林とは、防風、防火、潮よけから日よけ、さらには堆肥や薪を得るために植えられた、屋敷内にある林のことを言います。
季節風が吹き、広い地域に人家が散在する地域で発達しています。
関東平野では、平坦な地域に風垣と呼ばれる屋敷林が発達しました。
台風によって家屋の屋根が破損してしまうことを防ぐことが目的で、樹種は常緑広葉樹が中心となっています。
富山県の西部にある砺波平野では、江戸時代以降に散居村と言われる、広大な耕地に民家が散らばって点在する、独特な集落が発展しました。
その地域では垣入(カイニョ)と言われる屋敷林を植えて、風よけにしていました。
屋敷の入口となる東側には庭園や鑑賞用樹木が植えられ、西側や南側には風や雪から家を守るために、丈夫な杉が植えられていました。
また、杉からとれた落ち葉を「スンバ」と言って燃料として活用しました。
このような屋敷林は様々な理由で失われつつあります。
美しく、人と自然が共存する場として、いつまでも保存されるべきでしょう。

鎮守の森

鎮守の森は神社を囲むようにして存在する森のことです。
鎮守の杜と表記されることもあります。
かつては、村や町に必ずと言って良いほど鎮守の森がありました。
鎮守の森は色の濃い常緑樹が多い特徴があり、一目で普通の森と区別がつきます。
有名なもので言えば、明治神宮の鎮守の森が挙げられるでしょう。
明治神宮の森では各地から持ち込まれた木が植えられていますが、古くからの鎮守の森には、その地域の原植生が残っていることが多く、その地域の自然植生を知るための手掛かりにもなります。
森林を守るためにも、神社が作られた、という考えもありますが、信仰が薄れつつある近現代では、道路の改修や宅地開発、公共施設の用地確保のために、鎮守の森が削られることがあります。
自然を守る役割であり、自然に感謝する機会を与えてくれる鎮守の森は、これからも大切に残していくべきだと考えられます。

このように、多くの身近な自然が失われつつあります。
また、以前は人間と自然が共存できるような生活が行われていたとも言えるのではないでしょうか。
もしかしたら、私たちの生活は見直されるべきなのかもしれません。

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