焼畑農業の問題とは?行われる理由とメリット・デメリット

焼畑農業の問題とは?行われる理由とメリット・デメリット

環境問題はさまざまな原因によって引き起こされますが、焼畑農業が関係しているパターンも少なくありません。 焼畑農業は環境問題の原因になってしまう、というデメリットがあるにも関わらず、なぜ続けられているのでしょうか。

焼畑農業の仕組みから、メリット・デメリットをご紹介します。 また、どのような環境問題と関わりがあるのか確認してみましょう。

焼畑農業とは?仕組みや栽培される作物

焼畑農業とは、その土地にあった草木を焼き払い、その灰を肥料として利用する農業です。 焼畑農業を行い、その土地で何年か農作物を育てると、地力が衰えるため、別の場所へ移動します。 一度行った土地はしばらく放置し、自然が回復しなければ、同じ場所では焼畑農業ができません。

つまり、新たな土地で再び草木を焼き、灰を肥料にして作物を育て別の場所に移り、自然が回復したら同じ場所に戻ってくる、というサイクルが焼畑農業の特徴です。 焼畑農業は、主に熱帯や山間部で見られ、特に東南アジア、ラテンアメリカ、アフリカで多く行われています。

栽培される作物はその土地の気候によって異なります。 熱帯雨林気候の土地では、タロイモやヤムイモ。サバナ気候は、アワやヒエ、キビなど。メキシコ周辺はトウモロコシ、ジャガイモなどが栽培されています。

焼畑農業のメリット・デメリット

焼畑農業には問題がありますが、多くの地域で取り入れられる理由は、メリットがあるからに違いありません。 焼畑農業のメリットはどのような点にあるのでしょうか。 また、焼畑農業のデメリットについても確認しましょう。

メリット

焼畑農業のメリットは以下のようなものがあります。

  • コストがかからない
  • 持続可能な農業
  • 害虫駆除

焼畑農業は他の農業に比べると、土地を整地にする手間がかからない特徴があります。 農業を行って弱った土地の回復は、自然の力に任せ、肥料はもちろん草木の灰によって賄うため、投入するコストが抑えられるというメリットがあるのです。

また、焼畑農業を行い、土地が弱ったら別の場所へ移動し、そこで農業を始める…というサイクルを繰り返すため、持続可能な農業 と言えます。 ただ、農業を行う期間が長くなる、土地を休ませる時間が短いなど、バランスを間違えてしまうと、土地が回復せず持続可能性が失われることも。 さらに焼畑農業のメリットは、草木を焼き払うと同時に害虫を駆除できます。 つまり、焼畑農業は少ない労力で利益を繰り返し得る、効率的な農業だと言えるのです。

デメリット

焼畑農業は以下のようなデメリットがあります。

  • 煙害による被害
  • 森林火災が起こる恐れ
  • 人口増加によって持続可能性が失われる

焼畑農業は煙が多く、煙害の原因になります。特にインドネシアの煙害は有名で、隣国のシンガポールやマレーシアまで及んでいます。 煙害は交通の混乱を生み、人々の呼吸障害の原因となり、農業に関係しない地域や人にも悪影響を与えてしまうのです。

また、焼畑農業はコントロールを誤ると、森林火災の原因になります。 火災によって森林が失われるだけでなく、人命も失われる恐れがあり、その影響で水害が増えることにつながってしまいます。

そして、焼畑農業は人口の増加と相性が悪いという点もあります。 人口が増加すると、必要とされる農作物の量も増え、より多くの作物を栽培しなければなりません。 すると、土地を焼き払う面積が増え、農業の期間も長くなり、土地を回復させる時間が短くなります。 それにより、土地が衰え生産力も低下し、悪循環に陥ってしまうことに。 これが続けば、次々と土地が荒れることになってしまうでしょう。

焼畑農業が関係する環境問題

焼畑農業のデメリットは、環境問題を引き起こすことです。焼畑農業と環境問題は、どのような関係にあるのでしょうか。

森林破壊

焼畑農業は、火の扱いを誤ると付近の森林まで燃やしてしまうことになります。 森林は私たちの生活を支え、守る機能があり、これを失うことは大きな問題です。 森林が燃えてしまえば、動植物の多様性にも影響があり、私たちが必要とする資源も失われえることもあるでしょう。

地球温暖化に影響

焼畑農業は草木を焼き払うことから、大量の二酸化炭素を放出します。 また、二酸化炭素を吸収する森林も失われることがあり、地球温暖化に拍車をかけていると言われているのです。 地球温暖化現象が悪化してしまえば、私たちの生活に多くの悪影響が出てしまいます。

砂漠化の恐れも

土地が荒れ、回復力が失われると、砂漠化してしまう恐れがあります。 砂漠化してしまうと土壌の生産性が下がり、植物も動物も育つことはありません。 また、人間の健康にも悪い影響を与える土地となるため、居住にも適さないことが砂漠の特徴です。 つまり、飢餓や人口増加による問題を広げてしまい、その影響で内戦や紛争に発展する恐れもあります。

これからの焼畑農業は

焼畑農業は多くの問題を抱えていますが、人々に食料を供給するために、必要な手段だと言えます。 焼畑農業が抱えているような問題を解決するために、世界はSDGsの達成を目指しています。

SDGsは、森林破壊や飢餓など多くの環境問題・社会問題を解決するための国際目標です。 私たちは、この達成に貢献するため、リサイクルやリユースを意識することが挙げられます。 リサイクルが円滑に行われるよう、ごみの分別を徹底する。不用になったものは、ただ捨てるのではなくリユースするなど。 これらをぜひ心がけてみてください。

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