モアイ像の謎とは?イースター島の文明崩壊は環境問題の象徴か

モアイ像の謎とは?イースター島の文明崩壊は環境問題の象徴か

南米チリの領土となるイースター島は、南大西洋の海の上に浮かぶ小さな島です。 ここには、誰もが名前を聞いたことであろう「モアイ像」と言われる、人面を模した石造の彫刻があります。 このモアイ像は何のために作られたのか、どういった意味があるのか、謎の多い石造です。

そんなモアイ像は環境問題と関係があると言われています。 イースター島のモアイ像と環境問題の関係とは、どんなものなのでしょうか。

関連記事
失われた大陸「ジーランディア」とは?海底に沈んだ原因に迫る
謎の遺跡ストーンヘンジの目的は?新しい発見と日本の環状列石
与那国島の海底に遺跡が?人工物かそれとも自然現象なのか

モアイ像の謎とは?目的から建設方法まで謎ばかり

モアイ像とは、イースター島にある人面の形をした石造彫刻で、大きさは3.5m、重量は20トン程度です。 中には20mにもなる巨大なモアイ像も存在します。

これらは島の海に面した、アフと呼ばれる高台に設置され、海の方を向いています。 モアイ像が作られた目的は不明です。 なぜなら、ヨーロッパ人がイースター島に到達した18世紀には、イースター島の文明は既に崩壊していたからです。 そのため、誰もイースター島の文明やモアイ像が作られた目的を知りませんでした。

モアイ像が作られた目的として、考えられているのは「祭祀説」と「墓碑説」です。 何らかの信仰により、モアイ像を建設し続けた祭祀説。 モアイ像の土台部分から人骨が出土したことから考えられる墓碑説。 明確な答えは、未だに不明ですが墓碑説が有力ではないのかと言われています。

また、モアイ像の建設についても、謎があります。 イースター島には鉄の道具がなかったと考えられています。 鉄の道具がなければ、石を成形するのは大変難しかったはずなのです。

そんなモアイ像がどのように作られたかは解明されています。 モアイ像は島の東部にあるラノ・ララクという火山の傍で作られたと言われています。 ここには火山灰が固まった凝灰岩があり、これは比較的に脆いため、加工が簡単だったのです。 凝灰岩を黒曜石や玄武岩などの硬い石で切り取り、モアイ像を作成したと考えられています。 その証拠に、現在でもラノ・ララクの周辺に、完成前の石像が残されています。

モアイ像の最大の謎は運搬方法だった

作り方については判明していますが、大きな謎が残されています。 それは、ラノ・ララクで作った、巨大で重たいモアイ像をどのように運搬したのか、ということです。

それには、様々な説がありますが、中にはイースター島には超古代文明が存在していた、宇宙人がモアイ像を運んだ、という説もあります。 他には、丸太を敷いて移動させた、木のソリを作って運んだ、縄を使った、などが考えられています。

さらにモアイ像が自分で歩いた、という伝説も残っているようです。 これはモアイ像の頭部にロープをかけて、左右から交互に引っ張ると、まるでモアイ像が歩いているかのように、移動させることができたのです。 このロープでモアイ像を歩かせる、というのが運搬方法として有力と思われますが、確かなことはわかっていません。

謎多きモアイ像は環境問題の原因だった?

このように、多くの謎を残し、未だに研究が続くイースター島の文明ですが、モアイ像は環境破壊の象徴だ、と言われています。 18世紀にヨーロッパ人がイースター島に訪れた時点では、島に木がありませんでした。

しかし、地質学的な調査によると、昔は島に椰子の木が生い茂っていたことが判明しています。

また、花粉分析などにより、島民が木を乱伐したために森が消失した、とも考えられているのです。 モアイ像を作成、または運搬に木を使ったことが、森林が消失してしまった原因の一つではないかのか、と言われています。

そして、森林の減少により、土地は荒れ、食料や耕地の確保が難しくなり、部族間の戦争が起こったために、イースター島の文明は滅びてしまったのではないか、という説があるのです。 ただ、これは研究者の間では論争となっていることで、木はネズミの食害によって消滅した、部族間の争いはなかった、などの説もあるため、確実なことはわかっていないようです。

モアイ像による環境破壊は地球規模で起こるかも

モアイ像が作られた目的は不明ですが、一説によるとイースター島の文明崩壊のきっかけとなったかもしれないと考えられています。 人間の活動により森林が消失し、環境問題が起こり、やがて人間が滅びてしまった。 このイースター島の出来事は、今の地球に住むすべての人類が抱える問題に近しいものがあります。

もし、このまま地球温暖化が進み、海洋汚染が広がれば、私たちは食料や資源を確保できず、争いを起こしてしまうかもしれません。 地球規模で争いが行われたら、その後は地球に文明と言えるもの、人間そのものが残っていないかもしれません。 そのような事態を避けるためにも、私たちは環境への配慮を忘れない生活を心がける必要があるのです。

あわせて読みたい

関連タグ

カテゴリー

人気の記事

  • 先月
  • 全て

人気のタグ

おすすめの記事

スペシャルコンテンツ

関連リンク