プリトヴィツェ湖群国立公園とは?戦争に巻き込まれた世界遺産の歴史

プリトヴィツェ湖群国立公園とは?戦争に巻き込まれた世界遺産の歴史

人間の歴史には何度も「戦争」の二文字が現れます。
戦争は人の命を奪うだけでなく、重要な文化を破壊し、自然を汚染してしまいます。
クロアチアにあるプリトヴィツェ湖群国立公園も、世界遺産に登録されながら、戦争の舞台となってしまった場所です。
プリトヴィツェ湖群国立公園はどのような場所で、どのように戦争の影響を受けたのでしょうか。

プリトヴィツェ湖群国立公園とは

プリトヴィツェ湖群国立公園(Plitvice Lakes National Park)はクロアチアの国立公園の一つです。
ボスニア・ヘルツェゴビナとの国境に近いプリトヴィツェ湖群市に位置します。

ここでは、16の湖と92の滝が美しいエメラルドグリーンの色に輝き、とても幻想的な風景を見ることができます。
山の間にいくつもの湖と滝が存在する特殊な地形は、プリトヴィツェ湖群国立公園が白雲岩と石灰岩から成り立つ、カルスト地形と言われる特殊な地形に存在しているためと考えられています。

また、プリトヴィツェ湖群国立公園は動植物の多様性も注目すべき点です。
ヨーロッパ種のヒグマやオオカミ、ワイルドキャットのような希少動物や、少なくとも126種の鳥類が存在し、そのうちの70種がこの地を繁殖地としています。

このような美しい自然による景観、たくさんの生物を育む地であることから、プリトヴィツェ湖群国立公園は1979年に世界遺産に登録されました。

プリトヴィツェ湖群国立公園の見所

美しい自然がたくさん存在する、プリトヴィツェ湖群国立公園ですが、どのような見所があるのでしょうか。

プリトヴィツェ滝

「大滝」とも呼ばれるプリトヴィツェ滝は、プリトヴィツェ湖群国立公園の中でも最も迫力ある滝と言えます。
約75メートルの高さを誇るプリトヴィツェ滝のふもとは、人気の撮影スポットでもあります。

ミルカ・トルニナ滝

階段状に水が流れ落ちる、ミルカ・トルニナの滝もプリトヴィツェ湖群国立公園の見所の一つです。
ミルカ・トルニナとは、この地を愛したオペラ歌手の女性の名前です。
彼女はオペラ公演で得た報酬を公園に寄付したことで、その功績が称えられ、この滝に「ミルカ・トルニナ」と名付けられるようになりました。

プルシュタヴァツの滝

プルシュタヴァツの滝も迫力ある滝です。
高さは約28メートルと、プリトヴィツェ滝に比べて劣りますが、横幅はプルシュタヴァツの滝の方が広く、幻想的な景色が見られます。

コジャク湖

プリトヴィツェ湖群国立公園の中で最大となるコジャク湖。
遊覧船に乗って湖を縦断することもできて、歩道から見るのとは少し違った公園の景色を楽しめます。

戦争の影響で危機遺産に登録?

プリトヴィツェ湖群国立公園は1949年にユーゴスラビア政府が国有化し、国立公園とした後、1979年に世界遺産に登録されましたが、1992年には世界遺産としての価値が損なわれつつあると判断され、1997年まで危機遺産リストに登録されていました。

プリトヴィツェ湖群国立公園で何があったのかと言うと、1991年の3月からクロアチア紛争が開始され、ここで最初の武力衝突が起こったのです。
この公園は、クロアチア領内で独立宣言をしたクライナ・セルビア人共和国の軍隊が占領し、周辺施設やホテルを利用しました。
この際、プリトヴィツェ湖群国立公園は被害を受け、地雷が設置されるなど、自然を楽しむ場所ではなくなってしまったのです。

1995年、紛争は終結し、クロアチア政府はプリトヴィツェ湖群国立公園の再生に取り組みます。
中でも地雷の撤去は最優先に行われ、1997年に危機リストから解除されました。
また、1997年には国立公園の範囲が拡大され、世界遺産の登録範囲も2000年に拡大されることになりました。

自然も文化も大切に

プリトヴィツェ湖群国立公園は、今でもクロアチアの最大級の観光地として、人気のスポットであり、たくさんの自然があります。
しかし、戦争の状況によっては、もしかしたらこの場所は二度と美しい自然を取り戻せなくなったことも考えられます。
戦争は人も自然も、文化も奪ってしまう、恐ろしいものです。

また、戦争が起こらずとも、人は自然や文化を破壊してしまうことがあります。
私たちは、これからも地球に住む一員として、自然を守り、文化を残さなくてはいけません。
そのためにも、リサイクルやエコを意識し、環境に優しい生活を心がけましょう。

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