大量廃棄が起きる原因は?企業が作りすぎて捨てる理由と私たちができる選択
在庫処分やフードロスなど、大量廃棄に関するニュースを見て「もったいない」と感じたことはないでしょうか。 最初から売れる分だけ作ればいいのに、どうして大量に捨てることになってしまうのか。 そんな疑問が浮かぶかもしれませんが、実は現代の経済システムやビジネスの構造が大きく関係しています。
今回は大量廃棄の原因や環境問題につながってしまう影響などをご紹介します。
目次
なぜ捨てる?どう考えても無駄な大量廃棄
私たちが生活の中で必ず出てしまう「ごみ」ですが、これがどんな影響を与えているか、考えてみたことはあるでしょうか。 アパレルの売れ残りや食品ロスによる大量廃棄が、ニュースとして取り上げられていることもあり、多くの人が問題につながると認識しているはずです。 実際、どれだけのごみが捨てられているのかと言えば、2026年3月に環境省から発表された「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和6年度)について」によると、2024年における日本のごみ総排出量は3,811万トンという結果でした。
この量をおなじみの例で表すなら「毎日、東京ドーム約1杯分をごみで満たし、それを1年中、毎日欠かさず捨て続けている」と同じ規模です。 家庭用の45リットルのごみ袋で考えると、1年間に約76億枚が消費され、毎日欠かさず1人1枚以上を捨てているようなイメージとなります。
もしかしたら「そんなに捨てているの?」と驚いた方が多いのかもしれませんが、これはあくまで日本だけの数字です。 これだけの大量廃棄は何が原因で起こっているのか。そして、大量廃棄による影響でどういった事態が考えられるのでしょうか。
参考:環境省 一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和6年度)について
大量廃棄が起きる原因とは?3つの裏事情
大量廃棄が起こってしまう原因ですが、その多くは現代の経済システムやビジネスの構造が関係しています。 その中でも代表的と言える3つの事情をご紹介します。
売り切れによる機会損失を防ぐため
企業にしてみると、お店にきてくれたお客さんに「ごめんなさい、売り切れです」と伝えることは、ビジネス上のダメージと言えます。 お目当てのモノがなければ、お客さんはすぐにライバル他社の商品へ流れてしまい、その分の利益はもちろん、信用も失ってしまう恐れもあるからです。
チャンスを逃して売上が下がるくらいなら、余らせるほど商品を用意した方がマシ。そして、実際に余ってしまったら廃棄する。 そういった判断が、さまざまな業界の現場で日常的に行われているため、これも大量廃棄の原因となっています。
大量生産は1個あたりのコストが安い
現代の工場は「大量生産」を前提に作られています。モノは少量を丁寧に作るよりも、一度に大量に作った方が、1個あたりの製造コストを圧倒的に下げられるからです。
例えば、オリジナルのTシャツを1枚だけ作ろうとすると、デザインの型代などで「1枚5,000円」かかるとした場合、同じものを1万枚まとめて作ると、1枚あたりのコストが「300円程度」まで下がることがあります。
そのため、企業にしてみると「売れ残って何割かを廃棄処分するコストを差し引いても、最初から大量生産して1個あたりの単価を下げた方が、最終的に残る利益が大きくなる」という考えに至ってしまい、廃棄が前提のビジネスモデルとなってしまうのです。
トレンドの移り変わりが早いため
アパレル業界やガジェット業界において、特に言えることですが、流行のサイクルが年々早くなっています。 多くの業界が新しい商品を店頭の目立つところに並べますが、そのトレンドの寿命は驚くほど一瞬で、ほんの数ヶ月前まで大ヒットしていたモノでも、流行が過ぎれば見向きもされなくなるほどです。
しかし、売れ残った商品を倉庫に保管し続けるには、毎月膨大な「管理コスト」が発生してしまい、企業にしてみると「安売りしてブランドのイメージを落とす、もしくは高い保管料を払うなら、廃棄した方がトータルで安上がりになる」という判断になってしまいます。 こういったシステムやビジネスの構造が大量廃棄の原因となっているのです。
大量廃棄の影響は?環境問題の原因に
大量廃棄による恐ろしい影響は、凄まじいダメージを地球に与え続ける環境問題につながっていることです。その代表的な例とも言える、3つの環境問題をご紹介します。
製造時に排出される二酸化炭素
大量廃棄による実害と言えば、地球温暖化の加速が真っ先に挙げられるでしょう。 なぜなら、ごみが燃やされるときはもちろん、モノを作っている段階も膨大な温室効果ガスが排出されているからです。
さらには、原材料を掘り出すとき、製品が出来上がった後に輸送される際も大量の温室効果ガスが排出されます。 温室効果ガスによって地球温暖化が加速すれば、海面上昇による浸水、農作物の品質低下や水産資源の変化、さらには熱中症、感染症などの健康被害といった、さまざまな問題につながってしまうのです。
ごみ処分場の限界
ごみは燃やされた後、完全に消滅するわけではありません。 焼却灰が残されることもあれば、そもそも燃やせないプラスチック製品などもあります。
これらは最終的に「最終処分場」と呼ばれる埋立地へ運ばれますが、そんなごみの行き着く場所も無限に広がっているわけではありません。 環境省の調査「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和6年度)」によると、2024年度末の時点で最終処分場の寿命はあと24.9年と発表されています。
日本は国土が狭く、自然環境を守る観点などから新しい埋め立て地を作ることは困難であるため、私たちは「ごみの行き先が失われるタイムリミット」の中を生きている状況なのです。
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天然資源の枯渇
大量に捨てられたモノが捨てられた分、新しいモノが作られますが、それは地球の限られた資源を新たに掘り起こすという意味でもあります。 しかし、日用品や衣類の原料となる石油をはじめ、スマートフォンや家電の電子基盤に使われるレアメタルなどは、近いうちに採掘できなくなるリスクが指摘され、天然資源の枯渇が懸念される状況です。
さらに、新しい原材料を確保するため、世界中で豊かな森がもの凄いスピードで切り開かれ、そこに暮らす多くの生き物たちの故郷が奪われています。 つまり、私たちが「まだ使えるから」「流行遅れだから」とモノを簡単に買い換える裏側では、地球の物理的な限界が進行しているのです。
大量廃棄による環境問題を和らげるには
このようにごみを捨てることは、大きな環境問題に発展し、私たちの生活に実害が出る恐れがあります。 そのため、ごみを出さないよう意識する必要がありますが、私たちが個人的にできることはあるのでしょうか。
ごみ削減のためにできること。それはリサイクルやリユースが挙げられます。 リサイクルは分別を徹底することで、ごみが再資源化されるため、廃棄量の削減につながる行動です。
しかし、リユースは再利用を意味する言葉で、繰り返し使う、使わなくなったモノを再び活躍させることが該当します。 例えば、フリマアプリでモノを売買することもリユースです。 何か必要なモノが出てきたとき、使わないモノを処分するときなどは、ぜひリユースという選択肢を検討してみましょう。










