【COP24とは】目的から会議の内容・何を決定したのか?

【COP24とは】目的から会議の内容・何を決定したのか?

2018年の12月、ポーランドでCOP24が開催されました。そのCOP24…話題になっていましたが、何のための話し合いで、何が決定されたのでしょうか。他にも、COP24の話題の中で「パリ協定」が頻繁に出てくるようですが、どういった関係なのでしょうか。COP24やパリ協定について考えてみましょう。

CPOはUNFCCCの締約国会議

CPO24のCPOとは、UNFCCCの締約国会議になります。これだけ言われても、何のことが全くわかりません。まずは、一つ一つの単語がどんな意味を持っているのか考えてみましょう。

UNFCCCとは

UNFCCCとは「United Nations Framework Convention on Climate Change」の省略名称です。日本語の名称では「気候変動に関する国際連合枠組条約」です。これは、1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国際連合会議」と言われる、通称「地球サミット」で採択された、地球温暖化の問題に関する国際的な枠組みを設定した環境条約です。他にも国連気候変動枠組条約、地球温暖化防止条約などと呼ばれます。
つまりは、地球温暖化の対策として、対処方法を国際的に決めましょう、といった条約です。採択された1992年の時点で155ヵ国が署名し、締結国は2017年の時点では197ヵ国となります。

締約国会議

この条約では、1年に1回、参加している国が集まって会議を行います。それを締約国会議と言いますが、英語では「Conference of the Parties」と表記されます。この略称がCOPとなるのです。
このCOPの第一回、COP1は1995年にドイツのベルリンで開催されています。開催される国は毎年異なり、1997年には日本の京都でCOP3が開催されています。このとき、温室効果ガスの削減目標を定めた「京都議定書」が採択されました。つまり、COP24とは気候変動に関する国際連合枠組条約の24回目の締約国会議ということになります。

CPO24を理解する上で

それでは、CPO24ではどのような話し合いが行われたのでしょうか。CPO24の内容を理解する上で、知っておくべきワードが三つあります。それが「パリ協定」「タラノア対話」「1.5℃特別報告書」です。

パリ協定

パリ協定は、COP21が開催されたパリで、2015年に採択された気候変動抑制に関する協定です。京都議定書の第二約束期間と言われるものが、2013年から2020年までの条約であったことに対し、パリ協定は2020年以降に地球温暖化をどのように対策すべきかを定めるものでした。この協定の最終的な目的は、産業革命前からの平均気温上昇を2℃未満に抑える(可能な限り1.5℃未満に抑える努力をする)ことです。パリ協定が成立した時点では、平均気温上昇を抑えるという目的や目標はあったものの、具体的なルールや実施指針は決められていませんでした。

1.5℃特別報告書

2018年の10月に「1.5℃特別報告書」と呼ばれる報告書が発表されます。これは「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」と言われる地球温暖化について研究を行う政府間機構による発表で、このまま地球温暖化が進めば、2030年には世界の平均温度が産業革命前より1.5℃上昇する、といった内容でした。1.5℃特別報告書は、パリ協定の目標に大きな影響を与える内容で、COP24の直前に発表されたこともあり、多くの注目を集めました。

タラノア対話

2020年から開始されるパリ協定は、5年のサイクルで「グローバル・ストックテイク」と言われる世界全体の進捗状況の確認が行われます。これは、2023年に第一回が開始される予定ですが、多くの国やNGOの主張により、2018年に先駆けて進捗確認を対話という形で設けられました。それをタラノア対話と言い、CPO24内で開催されることから、これもまた注目を集めました。

CPO24の内容は?

それでは、CPO24で語られた内容とは何だったのでしょうか。CPO24の最大の目標はパリ協定の「ルールブック」に合意することでした。パリ協定は2020年に開始されますが、そのルールや実施指針は成立時の2015年には決められておらず、このCPO24で決められる予定だったのです。温室ガスの抑制や、温暖化への適応、途上国の資金援助など、様々な要素を解決するための複雑なルールが、2015年から3年間に渡り作成され続けました。そして、2018年のCPO24で、140ページ以上のルールブックに世界各国は合意したため、CPO24は一つの目標を達成しました。

また、CPO24のもう一つの目標としては、1.5℃特別報告書を踏まえた上で、タラノア対話を成功させ、各国の温室効果ガスの削減目標を引き上げることでした。1.5℃特別報告書の内容からすると、パリ協定の達成が難しく、削減目標は引き上げられるべきと考えられたのです。しかし、一度決めた目標が変更されることについては、どの国にとっても大変な負担となります。それを踏まえた上で、タラノア対話では各国が様々なアイディアが語られ、削減目標の引き上げが強調されました。
結果的には、CPO24の決定文に「タラノア対話の成果を考慮して、各国は国別目標を準備する」との文言が採択されましたが、一部の先進国や途上国が削減目標の引き上げに対して、消極的な姿勢を示したこともあり、義務付けは見送られました。

それでも、パリ協定のルールが決定したことは、CPO24の大きな成果と言えます。パリ協定が始まることで、地球温暖化への対策が取られることでしょう。地球温暖化がこれ以上悪化しないように、多くの取り組みが行われると期待したいですね。

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