日本の失われた森林5選!なぜ自然は破壊されたのか

日本の失われた森林5選!なぜ自然は破壊されたのか

森林は二酸化炭素を吸収するだけでなく、土砂災害のリスクを低減させるなど、自然環境において重要な役割を果たしています。 しかし、私たちにとっては役に立つ資源でもあり、過剰に伐採されてしまった結果、そこにあった森林が失われてしまった、というケースも少なくありません。

今回は、そんな「失われた日本の森林」をご紹介します。

失われた日本の森林

森林が失われた地域や出来事は以下の通りです。

  • 多摩丘陵
  • 足尾銅山
  • 平群町
  • 関西国際空港
  • 拡大造林

これらの森林がなぜ失われてしまったのか、それぞれの経緯をご紹介します。

多摩丘陵

多摩丘陵は高尾山麓から、日野市や多摩市、川崎市、横浜市にかけて広がり、なだらかな起伏や小山が続く地形です。 自然に恵まれた土地であるため、古くから里山として機能していましたが、1950年代半ばから日本が高度経済成長期に入ると、多くの緑が減少しました。

その大きな原因は多摩ニュータウンの開発だったと言われています。 多摩ニュータウンは当時の深刻な住宅不足を解消するため、広大な多摩丘陵を開発の対象とする計画でした。 これにより、多くの雑木林を伐採。 少なくとも多摩ニュータウン計画の対象となったエリア、約30km2の自然に影響がありました。

現在、かつての多摩丘陵を思い出させる里山の景色は、長池公園、小山田緑地、生田緑地などわずかなエリアのみとなります。 ちなみに、ジブリ映画の「平成狸合戦ぽんぽこ」では、多摩丘陵の開発がテーマとなり、タヌキたちの視点から山林が失われる経緯が描かれているため、興味がある方はぜひ視聴してみてください。

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足尾銅山

足尾銅山は「日本初の公害事件」の場として有名で、多くの森林が失われました。 もともと栃木県足尾町(現在は日光市と合併)は緑が広がる地域でしたが、明治時代に入ると「富国強兵政策」を背景に銅の産出に加速がかかります。

それにより、鉱山開発と製錬事業は大きく発展しますが、裏では足尾山地の樹木が燃料のために伐採され、工場から排出される煙が大気汚染を引き起こすことに。 結果、この事態は「足尾鉱毒事件」と呼ばれる公害事件に発展し、周辺の水質・土壌を汚染して、一部は自然回復が不可能と思われる「はげ山」となってしまいました。

100年以上前に起こった事件ですが、国や県は治山事業による森林の復旧を現在も続けています。 地道な活動により、足尾の風景に緑は戻りつつありますが、失われた森を取り戻すためには、多くの時間と労力が必要だと知らされるケースと言えるかもしれません。

平群町

奈良県の平群町では、山林約48haを整地して約5万3,000枚の太陽光パネルを設置する計画が進められました。 2021年には大規模な森林伐採が開始され、山肌が露出する状態となりましたが、2024年11月と2025年5月に土砂崩れによる事故が発生。 その原因は、以前から住民側が訴えていた「森林伐採による災害リスク」が現実となったものでした。

森林は土地を支え、水を吸い込む役割がありますが、無計画に伐採してしまうと、このような災害につながります。 しかも、平群町のメガゾーラ―メガソーラーは 「無期限停止」のままで、森林の復元も行われていません。 そのため、住民側と業者、行政によって複数の裁判が続き、今後の動向が注目されています。

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関西国際空港

関西国際空港は1994年9月4日開港し、世界で初めての完全人工島からなる海上空港として有名ですが、建設のために多くの森林が伐採されました。 なぜなら、東京ドーム約150個分に相当する人工島を作るために、多くの土砂が必要となったからです。

これを確保するため、大阪府内の山々や淡路島などの山林が「土砂採取場」に選ばれ、広範囲に削られてしまいます。 跡地は住宅地や公園、メガソーラー施設などに生まれ変わり、淡路島では緑化復元が進められましたが、多様な原生林とは違って画一的な植生になるという課題が残りました。

拡大造林

拡大造林は、戦後の日本においてもっとも広範囲に天然林を消失させた国家政策と言われています。 戦後、焼け野原となった日本は、復興のために多くの建築用木材を必要としていました。

そのため、ブナやナラなどの広葉樹を建材にならない価値の低い「雑木」として伐採し、成長が早く真っ直ぐ育つスギやヒノキに植え替えるという運動を全国で一斉に開始。これを「拡大造林」と呼びました。 結果、日本全国を覆っていた多様な広葉樹の原生林は失われ、森林の約4割がこの時期に造られた人工林となっています。

また、影響としてクマやシカの餌が激減し、人里に出没するケースが増加。 他にも、保水力の低下による土砂崩れのリスクも増加し、大量のスギが成長したことで花粉症が蔓延した、という影響も見られています。

さらには、1960年代後半に木材輸入の自由化が始まり、安価な海外産の木材が出回るとスギの価値は暴落し、手入れされずに放置される人工林が日本に残り続ける、という状況でもあります。

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森林地帯を失わないために

このように、多くの森林地帯が私たちの手によって失われています。 森林は資源であると同時に、私たちの生活を守る大事な生態系サービスの1つです。 無駄に森林を失わないためにも、何かできることはあるのでしょうか。

資源を大切にするため、誰もが心掛けられる行動は、ものを大切にすることです。 私たちが利用する家電や雑貨といった品物は、どれも自然の資源から作られています。

そのため、使わないものが出てきたとしても、ごみとして処分するのではなく、リユース(再利用)を心掛けてみてください。 昨今では、リユースに関する手軽なサービスもたくさん存在しています。 片付けや処分の機会があれば、ぜひそういったサービスを利用してみましょう。

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