日焼け止めが海を汚染している!海の汚染を防ぐ日焼け止めの選び方

日焼け止めが海を汚染している!海の汚染を防ぐ日焼け止めの選び方

夏の日差しには欠かせない、日焼け止め。とくに遮るものがなにもない海に行くときには、ほとんどの方が日焼け止めを塗っているはずです。

しかし、みなさんが当たり前のように塗っている日焼け止めのなかには、海の環境を汚染し、海の生き物や人体に悪い影響を与える成分が使われていることを知っていますか?

そこでこの記事では、以下の2点について解説します。

  • 日焼け止めが引き起こす海への悪い影響
  • 海の環境汚染を防ぐ日焼け止めの選び方と、そのほかの日焼け対策

美しい海の自然を愛する方には、ぜひ知ってほしい情報です!

日焼け止めの「紫外線吸収剤」が、海の環境を汚染することでおこる影響

日焼け止めには、「紫外線吸収剤」という化学物質が含まれているものもあります。 紫外線吸収剤とはその名の通り、紫外線を吸収し、熱や赤外線などのエネルギーに変えて放出する化学物質のことです。

つまり日焼け止めは、紫外線吸収剤を含むことで、紫外線から肌を守っているんですね。しかし紫外線吸収剤は、海の環境を汚染し、海の生き物や人体に悪い影響をあたえていることを知っていますか?

ここでは、紫外線吸収剤が海へどのような悪い影響をあたえているのか、具体例をあげて解説していきます。

サンゴの死滅

紫外線吸収剤に使われている化学物質の一部には、サンゴの白化を促進する働きがあるとされています。

サンゴの白化とは、サンゴのなかに共生している「共生藻」がサンゴからいなくなり、サンゴが死んでしまう現象のこと。サンゴは共生藻が光合成でつくりだした栄養をもらうことで生きているので、共生藻がサンゴの体内からいなくなると、死んでしまうのです。

サンゴの白化のしくみは、まだわかっていないことが多いのですが、紫外線吸収剤がサンゴ自体や、サンゴに共生している共生藻中のウィルスを活性化することがわかっています。

イタリアの海洋生物学者である、Danovaro教授らが2008年に行った実験では、3種類の紫外線吸収剤(ケイ皮酸、ベンゾフェノン、ショウノウ誘導体)と防腐剤のブチルパラベンが、サンゴや共生藻からのウィルスの放出を活性化し、サンゴが白化する原因になっていることを発見。

さらに2016年に発表された論文では、オキシベンゾンはこのようなサンゴの白化を促進するだけでなく、サンゴの赤ちゃんの成長をも妨げてしまう事実が判明しました。

サンゴの赤ちゃんを再び育てなおそうとしても、有害な紫外線吸収剤を使用した日焼け止めが海で使われている限り、サンゴの成長が妨げられ、サンゴの復活は難しくなります。

そのため海外では、有害な紫外線吸収剤を含んだ日焼け止めの販売を禁止する動きがでてきているのです。

参考:Nature news 日焼け止めの成分がサンゴの共生藻類を死滅させる仕組みが明らかになった
参考:2016年の論文 紫外線吸収剤はサンゴの赤ちゃんの成長を妨げる

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食物連鎖によって人間の生殖能力に影響する

紫外線吸収剤はサンゴの白化だけにとどまらず、食物連鎖によって最終的に人体にとりこまれることになります。

香港の研究チームは、3種類の紫外線吸収剤(ベンゾフェノン、オクティノクセイト、オクトクリレン)を添加した水のなかで、人間の遺伝子構造と似ているゼブラフィッシュを47日間飼育する実験を行いました。

このゼブラフィッシュの餌となる生物も一緒に飼育したところ、成魚(大人の魚)には影響はみられませんでした。しかし成魚の体内にあった胚(受精後の胎児の原型)の死亡率は、高まることがわかったのです。

さらに香港沿岸の海水からは、紫外線吸収剤を含む7種類の日焼け止め有効成分を検出。その海水域周辺の養殖場の魚やエビ、貝からも高濃度の紫外線吸収剤が検出されました。

つまり、紫外線吸収剤による海の環境汚染は、海の生き物だけでなく、食物連鎖を通じて人間の生殖能力に影響する可能性があることがわかったのです。

参考:AFPBB News 日焼け止め成分が海を汚染、食物連鎖で人体に影響も 香港研究

海の環境を汚染しない日焼け止めの選び方と、そのほかの日焼け対策

日焼け止めに含まれる「紫外線吸収剤」が、海の環境に悪い影響をあたえていることは説明しました。しかし人体に有害な紫外線から身を守るためには、日焼け対策は欠かせません。

そこで、ここからは海の環境を汚染しない日焼け止めの選び方や、そのほかに有効な日焼け対策について、ご紹介します。

紫外線吸収剤が使われていない日焼け止めを選ぶ

日本の日焼け止めによく使われている紫外線吸収剤は、以下の3種類(製品表示名)です。なるべく、これらの紫外線吸収剤が使われていない日焼け止めを選ぶようにしましょう。

  • t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
  • メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
  • オキシベンゾン-3

このうちの「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」と「オキシベンゾン」を使用した日焼け止めは、サンゴの保護を目的として、2021年からハワイで販売が禁止される予定です。

紫外線吸収剤が使われていない日焼け止めのなかには、酸化チタンなど、天然の鉱物からとれるミネラル成分を使用した日焼け止めもあります。

ラッシュガードを着て日焼け防止

日焼けを防止する方法は、日焼け止めを塗ることだけではありません。UVカット効果の高いラッシュガードを着ることで、日焼け止めを塗るよりも、効果的に日焼けを防止できます。

ラッシュガードといえば上着タイプのものがよく知られていますが、スパッツのように下半身の日焼けを防止するものもあるんですよ。

フードつきのものを着れば、首の後ろの日焼け防止にも効果的!顔や手、足以外は日焼け止めを塗らずに日焼けを防止でき、海へ流れ出す日焼け防止成分の量も減らせます。

海の環境を汚染から守るために、日焼け止め選びについて考えよう

夏になると当たり前のように使っていた日焼け止めですが、未来の海の環境や子どもたちのためにも、選び方を考えなおす必要がでてきています。

わたしたち消費者が、日焼け止めの紫外線吸収剤が海の環境や人体に与える影響を知れば、より安全な日焼け止めを選ぶようになるかもしれません。すると自然に、環境にやさしい日焼け止めが販売されるようになるのではないでしょうか。

みなさんも、今年の夏から、日焼け止め選びについて考えてみませんか。

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