蚊の大群がルイジアナで発生!温暖化の関係や感染症の心配は?

温かい時期になると多くの人が煩わしく感じるのが、蚊に刺されることではないでしょうか。 温暖化によって蚊の活動期間は長くなり、刺されまいと対策に手を焼いている人は多いはず。
しかし、環境問題による生態系の変化はそれだけでなく、恐ろしいほどの蚊の大群が発生する事態になっています。 蚊の大群と温暖化による影響をご紹介します。
ルイジアナで蚊の大群が発生!動物が大量死?
2020年の9月、アメリカのルイジアナ州で蚊の大群が発生しました。 そして、その蚊の大群によって、牛や馬、鹿などの動物が襲われ大変な事態となっています。
蚊の大群に囲まれても、人間であれば何とか回避できますが、動物には難しいことです。 動物たちは蚊の大群から逃れるために動き回っていることから、疲労によって死に至ることも。
また、蚊の大群に襲われてしまった動物たちは、貧血になるほど血を吸われるだけでなく、刺された場所の皮膚下から出血していました。 この蚊の大群の発生によって、約400頭の牛が死んだと説明されています。 現在は殺虫剤の空中散布によって、群れは小さくなりつつあるそうです。
過去にも蚊の大群が発生!温暖化と関係は?
蚊の大群によって動物が死んでしまったケースはこれだけではありません。
蚊の大群の発生原因は、ハリケーンの発生による洪水が影響しています。
ルイジアナに蚊の大群が出た原因は、8月に発生したハリケーン・ローラでした。
関連記事
ハリケーンの名前はどうやって決まる?由来や命名規則とは 北大西洋に発生するハリケーン。
驚異的な風速で大きな被害を残すハリケーンですが、発生すると人の 北大西洋に発生するハリケーン。
驚
蚊は大雨や大きな洪水の後に、休眠卵が孵化し一斉に生まれることがあり、ルイジアナでもそのような現象があったと考えられます。 そのため、アメリカではハリケーンの発生後は蚊の大群が発生してしまうケースは限られたことではないのです。 ハリケーンや台風の増加が温暖化と関係しているかどうかは、確かなことはわかっていませんが、ここ数年で発生数が増えていることは間違いありません。だとしたら、今後も蚊の大群が発生することがあるでしょう。
また、温暖化によって巨大な蚊も大量に発生している、という報告もあります。 蚊の大群が発生することで生態系に影響があった場合、人間への影響も考えられます。小さい虫だと侮っていては、いつか人間も痛い目を見るかもしれませんね。
温暖化で高まる蚊による感染症リスク
温暖化によって蚊が増えてしまうと、感染症のリスクも高まります。 蚊が媒介する感染症として有名なのは、マラリアとデング熱です。
マラリアはハマダラカ類の蚊によって運ばれる感染症で、年間で42万人以上が命を落としています。 病原体に寄生されると、発熱発作、発汗や震えなどの症状がみられます。
デング熱はネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどによって媒介される感染症です。症状は、急激な発熱や発疹、頭痛、吐き気など。 1970年以前、重症型のデング熱は9ヵ国のみで流行がみられていましたが、現在では100ヵ国ほどで見られ、2014年には日本でも流行しました。
温暖化が深刻化すると、このようなウイルスを媒介する蚊の行動範囲が広がり、さらに脅威が拡大されると考えられます。
また、このような感染症は蚊だけではなく、そのほかの動物も原因となり得ます。人類が発見していないような新たな感染症が発生することも考えられるのです。
これからは、さらに自然や動物との距離感を考え直す必要があると言えるでしょう。
関連記事
動物由来感染症のまとめ10選!動物から人に移る病気とは 2019年から2020年にかけて猛威を振るい続ける新型コロナウイルスですが、動物由来の感染症であると 2019年から2020年にかけて猛威を振