ミンクとは?オランダで新型コロナ感染防止のため大量殺処分か
絶滅危惧種と言われる動物の減少理由は、多くが人間によるもの、ということは、広く知られていることでしょう。 その一例として、ミンクの殺処分が加わってしまうかもしれません。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オランダでミンクの大量殺処分が話題になっているのです。 ミンクの殺処分や外来種問題をご紹介します。
新型コロナ感染の恐れ!ミンク35万匹超殺処分
2020年、新型コロナウイルスはいつどこで感染するか分からない、という状況に、多くの人が恐怖しました。 人と人が接触することで、次に次に感染する新型コロナウイルスですが、動物から人に感染する、というケースもあります。 中国では、新型コロナウイルスの感染防止のために、犬や猫などのペットを殺処分するという、衝撃的な情報もありました。
そんな中、オランダでは農場の従業員が、ミンクから新型コロナウイルスに感染した事例が確認されました。 そのため、感染拡大を防ぐために、毛皮用に飼育されているミンクが殺処分されることに。 オランダの食品品質省によると、計35万匹以上のミンクが処分の対象になると言われています。
これには、動物愛護を掲げる、100人余りが議会前でデモを行い、2024年に予定されている、毛皮用動物飼育禁止とミンク農場の即時閉鎖を要求しました。
ミンクってどんな動物なの?
ミンクという名前は耳にしたことがあると思いますが、具体的にどういった動物なのか知らない、という人も多いのではないでしょうか。 ミンクは食肉目イタチ科ミンク属に分類される哺乳類です。別名はアメリカミンクで、世界各地で毛皮として利用されています。
原産地は北アメリカですが、ヨーロッパやロシア、日本にも移入分布しています。 大きさは、36~45センチで、暗褐色です。 海岸や河川などの水辺周辺に生息し、見た目も似ていることから、カワウソと間違われることも。
ミンクの脂肪は「ミンクオイル」と言われ、ブーツなど革製品の手入れに使われる他に、毛皮は高級婦人用コートとして使われます ちなみに、コート1着には、30頭以上のミンクが必要で、動物愛護団体から抗議の対象となっています。
ミンクの外来種問題
ミンクは外来種としても問題とされています。 ヨーロッパでは養殖ミンクが脱走し、野生として定着しています。これには、ミズハタネズミ、海鳥などへの影響が懸念されているのです。
日本でも、1928年ごろ北海道にミンクが持ち込まれています。毛皮が目的で養殖されていましたが、1960年代以降に逃げ出し、野生化してしまったことが問題になっています。 逃げ出したミンクたちは、北海道だけではなく、宮城県や福島県、群馬県、長野県で定着が確認されています 特に長野県は、この問題が深刻で、千曲川流域で野生化したミンクによる、漁業被害が発生。タンチョウのひなが捕食されるなど、生態系への影響が懸念されています。
また、ミンクは外来生物法によって特定外来生物に指定されています。飼育許可を得るには、檻の二重化、マイクロチップによる個体識別を行い、環境省へ申請する必要があります。 このように、ミンクは人間に振り回され、命を奪われているのです。
関連記事外来種による深刻な問題!どんな悪影響があるのか?
いま日本に存在している様々な野生動物が危機に晒されています。 その危機をもたらすのは、外来種と
いま日本に存在している様々な野生動物が危
ミンクが殺処分されないためには
ミンクは命を奪われ、問題視されていますが、決して彼らが望んでそのような状況へ進んだわけではありません。 私たち人間は、万物の霊長とまで言われる存在であり、時として他の動物に、非常に残酷になります。 限度を超えてしまうと、生態系のバランスを破壊し、環境問題に発展させてしまうこともあるでしょう。
私たちは動植物を犠牲にしないよう、自らの行動に責任を持ち、環境への負担を配慮する必要があります。 ぜひ小さなことでも、リサイクルやエコを意識し、動植物への影響も想像して生活してみましょう。