山火事・森林火災は温暖化と関係ある?事例や発生原因を解説

山火事・森林火災は温暖化と関係ある?事例や発生原因を解説

ここ数年で大規模な山火事や森林火災が発生していることをご存じでしょうか。 2020年、アメリカ西部の山火事も7月末に発生し、9月末となる現在に至っても消火活動が続いています。

この事態に山火事・森林火災は温暖化をはじめとする気候変動が関係しているという指摘もあります。 山火事・森林火災は何が原因で発生しているのでしょうか。気候変動との関係も含めて考えてみましょう。

山火事・森林火災とは?温暖化と関係という指摘も

まず、山火事・森林火災とはどういう意味なのでしょうか。 山火事とは、自然界における火災の総称です。山だけでなく、森林や草原で発生した場合も山火事に含まれます。 森林火災については、山や森林で広範囲にわたって発生する火災のこと。 そのため、この2つに大きな違いはないと言えるでしょう。

林野庁によると、日本では2016年から2020年までの5年間、約1,261件の出火、43ヘクタールの面積が焼損。その損害は900万円とされています。 山火事・森林火災は、日本だけでなく各地で発生していますが、中には大変な規模のものもあり、大きな問題として取り上げられています。

また、山火事・森林火災の原因は温暖化が関係しているのでは、という説も。 各地で起こっている山火事・森林火災と、その原因から温暖化の関係まで、今何が起こっているのか見てみましょう。

参考:林野庁 日本では山火事はどの位発生しているの?

山火事・森林火災が増加?温暖化の影響か

ここ数年で大規模な山火事・森林火災が何度も発生しています。 まずは、どれだけ多くの山火事・森林火災が発生したのか確認してみましょう。

2019年 アマゾンの森林火災

2019年の夏、アマゾンで大規模な森林火災が発生し、多くの熱帯雨林が焼失することに。 この時期は山火事が多いアマゾンですが、2010年以来で最も活発な火災が発生したと話題になりました。 その勢いは1分間にサッカー場1.5個分の森が燃えたと言われほどで、周辺の住人が熱中症などの健康被害を訴えることになりました。

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2019年 インドネシアの森林火災

2019年9月11日、東南アジア諸国連合(ASEAN)気象専門センターが、衛星によってインドネシアで火災発生が急増していることを感知。 インドネシアのカリマンタン(ボルネア)島とスマトラ島で、7月から発生していた火災が拡大していることが発覚しました。 インドネシアは2015年にも大規模な火災が発生し、死者や煙害による被害者が多く出しました。

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2019~2020年 オーストラリアの山火事

2019年9月からオーストラリアで発生した森林火災は、翌年2020年の2月に大雨が降るまで鎮火に至らなかった、という大規模なものでした。 この火災によって多くの森林が焼失し、大気汚染も深刻な状態となりました。 さらに、人間の被害だけでなく、救出されたコアラは全身のヤケドが回復することなく、死を迎えるなど痛ましい出来事もありました。

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2020年 カリフォルニアで山火事

2020年8月、アメリカのカリフォルニア州で山火事による被害が拡大していることが明らかになりました。 過去18年で最も深刻と言われるこの火災により、既に30人以上が死亡し、数千人が避難する事態に。 中には、この状況は気候変動との関係があると指摘する専門家も現れました。

温暖化だけではない!山火事・森林火災の原因は?

山火事・森林火災は何が原因で起こりうるのでしょうか。 大きく分けると2種類の原因が考えられます。

自然発火

山火事は乾燥した時期には、自然発火が起こる恐れがあります。 雷や火山の噴火などが原因として多いと考えられていますが、稀に風に舞った枯れ葉同士が擦れあって、摩擦により火が発生してしまうのです。

また、熱波によって火災が広がることもあり、フェーン現象によるものが代表的だと言えます。 乾燥した高温の風を発生されるフェーン現象によって、火災を拡大させることがあり、カリフォルニア州もこれが関係しているのでは、と考えられています。

人間による火の不始末

人間による火の不始末によって、大規模な山火事・森林火災に拡大することも少なくありません。 タバコやたき火、悪意のある放火、焼き畑農業などが原因として考えられます。 林野庁は山火事の原因として、たき火が29.9%、放火が9.3%、タバコが5.3%というデータを発表しています。

参考:林野庁 山火事の直接的な原因にはどのようなものがあるの?

山火事・森林火災と温暖化の関係

カリフォルニア州の件をはじめ、気候変動と山火事・森林火災の関係が指摘されていますが、実際はどうなのでしょうか。 自然発火や人間による火の不始末があるため、大規模な火災であっても、すべてが気候変動と関係しているとは限りません。

しかし、高温と乾燥状態が続くと、記録的な森林火災が発生しやすいことは指摘されています。 以前は山火事が多い季節は、2ヵ月程度でしたが、現在は5ヵ月から1年中と長期化し、高温と干ばつのような山火事の発生しやすい状況へと変化が見られつつあるだけでなく、気候変動によって、火災を拡大させる枯れ木が増える、落雷が増えたなどの指摘があります。

山火事・森林火災の直接な原因が気候変動であると結び付けるのは、早計かもしれませんが、大規模なものに拡大してしまう恐れはあるかもしれません。 少なくとも、私たちは山や森で火を扱う場合は、細心の注意を払わなければなりませんね。

山火事・森林火災が温暖化以外の環境問題に影響

山火事・森林火災が温暖化のような気候変動と関係があるとしたら、環境問題のスパイラルが起こっている恐れがあります。 なぜなら、山火事・森林火災は温暖化の要因と言われる二酸化炭素を吸収し、気候変動を緩和する役割があるからです。

また、森林が燃焼されることで二酸化炭素だけでなくメタンも発生します。 それはさらに温室効果ガスや有害物質を大気に放出することにあり、気候変動を悪化させ、さらに山火事・森林火災が発生しやすい環境となっていますでしょう。 木を含む自然が大切なことは周知のことですが、私たちはさらに関心を高める必要があるかもしれません。

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