井戸の使い方とは?井戸はどのように生活を支えていたのか

井戸の使い方とは?井戸はどのように生活を支えていたのか

今の私たちの生活は蛇口をひねれば、当然のように水を確保できます。
水道は戦後復興と高度経済成長期を経て、飛躍的に普及し、1975年頃には一部地域を除き全国で使われるようになったそうです。
水道が広く普及されるまで、人々が水源の確保として使っていたのは井戸でした。
井戸は当時の人にとって、安心安全の水源を確保できる場であり、生活を支える重要な役割を果たしていました。
そんな井戸は、人々からどのように活用されていたのでしょうか。

人々の生活を支えた井戸

人々は井戸が定着するまでは、川や湧き水など流れる水を使っていました。
文明が発展し、地面を掘って水を汲み上げる井戸が使われるようになります。
井戸は水道が敷設されるまで、人々の生活を支えるものでした。
飲み水としてはもちろん、顔を洗う、歯を磨く、料理をするなど、すべて水は井戸から確保していました。
人々は井戸の水を汲み上げるという重労働を毎日のように繰り返していたのです。
そのため、井戸は人にとって生活の象徴とも言えるものでした。
今では怖い話やホラー映画などで恐ろしい場所の印象も強いとも言えなくもないですが、それだけ人間から崇められる対象だったと言えるでしょう。

井戸水の汲み方

そんな井戸ですが、水道が普及してしまった今の時代では、井戸水の汲み上げ方を知らない人も多いことでしょう。
それでは、どのようにして、井戸水を汲み上げるのでしょうか。
井戸水を汲み上げるために、昔から釣瓶(つるべ)を使っていました。
釣瓶とは水を汲み上げるときに使う綱が取り付けられた桶などの容器のことを言います。
竹竿に釣瓶を取り付けて汲み上げるか、滑車にかけたロープの両端に釣瓶を取り付けて、釣瓶を交互に井戸内に落とすことで水を汲み上げる方法がありました。

明治時代からは手押しのポンプが搭乗し、効率よく水が汲み上げられるようになりました。
それは、ポンプのレバーを上下することで圧力を発生させ、地下から水を汲み上げる仕掛けでした。
水を汲み上げる際に、ポンプ内が空であると圧力がかからないため、少しの水をポンプに入れる必要があります。
これを呼び水と言いました。
物事が起こるきっかけのことを「呼び水」や「誘い水」など表現するのは、これが由来です。

また、井戸水は地下水であることから鉄分や砂など不純物が混じることが多くありました。
そのため、手ぬぐいや木綿の布を水が出る部分に設置することで不純物を取り除く工夫がされていました。

水を使うのは一苦労だった

井戸から水を汲み上げることは大変な重労働です。
今では少しの水を使うのも、水道で事を終えられますが、昔はその度に井戸から汲み上げなければなりません。
もちろん何度も汲み上げる作業を行わないための工夫がありました。
汲み上げた水を大きな水がめに溜めておいたのです。
水がめに溜めた水を柄杓などで必要な分だけ移し替え、料理や洗い物に水を使いました。
お風呂となると、水は何度もバケツで運び入れる必要があり、日々の中で欠かさず行われる重労働だったと考えられます。
このように、水を使うことは一苦労であったため、今に比べれば自然と節約して使われていたでしょう。
当時は当然のことであったかもしれませんが、かなりエコにつながる水の使用方法だったと言えるのではないでしょうか。

その他の井戸の役割

井戸は他にも様々な役割がありました。

冷蔵庫として使われた井戸

井戸の中は夏も冬も温度に変化がありませんでした。
そのため、井戸は今で言う冷蔵庫のように使われることがありました。
夏は井戸でスイカや野菜を井戸で冷やすことがあったそうです。

井戸端会議

今でも世間話の様子を井戸端会議と表現するように、井戸はコミュニケーションの場としても活躍していました。
井戸は生活に必須な場所だったため、その周りで水汲みや洗濯が行われることから、自然と世間話が行われる場所となったのです。
一つの井戸を他の家族と共同で使うこともあり、近所の人とコミュニケーションを取るには、良い場所だったと言えるでしょう。

井戸神様

生活する上で重要である水。
それを汲み上げる井戸は神聖なものだと捉えられていました。
井戸が水の神様として崇められることもあり、その脇に祠が作られて信仰されることもあったそうです。
水不足の地域では特に井戸神が信仰されました。
そのため、井戸に関する禁忌が多く、井戸を埋めることは縁起が悪いとも言われるのです。
最近のホラー作品で井戸が恐ろしいものとして登場するのは、このような経緯があったからなのかもしれません。

便利な現代でも水を大切に

井戸を中心とした生活を考えると、今は大変便利な世の中になったのだと繰り返し思ってしまいます。
しかし、便利になってしまったからこそ、過剰に水を使ってしまうこともあるのでしょう。
水は無限にあるわけではありません。
むしろ、多くの地域が水不足に悩んでいると言えます。
便利になったからこそ、水を大切にする気持ちを忘れてはいけないと、井戸から学べるのではないでしょうか。

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