十五夜の月はなぜ綺麗なの?お月見の日付や起源と由来を解説

十五夜の月はなぜ綺麗なの?お月見の日付や起源と由来を解説

秋と言えば、十五夜のお月見を思い浮かべる人も多いはずです。 十五夜の日に浮かぶ月は、普段よりも美しいと言われ、つい外に出てお月見を楽しみたいと思うこともかもしれません。

しかし、十五夜の月はなぜ綺麗だと言われているのでしょうか。 十五夜の月が綺麗な理由を、お月見の由来や歴史と一緒にご紹介します。

なぜ十五夜は月が綺麗なの?中秋の名月とは

十五夜は最も美しいと言われる旧暦8月15日の月を鑑賞する風習で、現代では毎年9月中旬~10月上旬の間となります。 かつて、この時期を中秋(ちゅうしゅう)と言ったことから十五夜は「中秋の名月」とも呼ばれ、その美しさは古くから評判高いものです。

なぜ、中秋の月は美しく見えるのか。それは、この時期の気温と湿度が関係しています。 まず秋になって気温が低くなると、空気が乾燥して大気中の湿度が下がります。 すると、空気中の水分量が少なくなるため、空気が澄んで、夜空に月がはっきりと映し出されるのです。

さらに、秋の月が美しいと言われる理由は、季節によって変わる月の位置が関係しています。 月が低くなる春と夏は地上のチリや埃によって月明かりが霞み、逆に冬は高すぎて眺めにくい位置に。

つまり、秋の月は他の時期よりはっきりと輝き、ちょうどいい位置にあることから、より美しく見えるのです。

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十五夜・お月見の由来とは?歴史や日にち

そもそも十五夜はどういった風習なのでしょうか。現代の十五夜はいつなのか、という点も含めてご紹介します。

十五夜・お月見の起源と歴史

十五夜はもともと中国の風習で、唐代(618~907年)から盛んとなり、これが平安時代に日本の貴族社会に伝わります。 当時の日本の月見は、詩歌や管絃を楽しみながらお酒を飲むといった催しであり、庶民には縁のないものでした。

室町時代になると供物を供える風習が生じ、江戸時代になって庶民に普及します。 そこからは、ただ月の美しさを愛でるだけでなく、収穫祭や初穂祭の意味合いが強くなり、無事に稲を収穫できたことを感謝する日となりました。

これは、当時の農作業が月の満ち欠けに合わせて行われていたためと考えられています。 江戸時代の庶民にとって、月は豊作の感謝を捧げる神様のような存在だった、と言えるのでしょう。

現代の十五夜はいつに当たる?

十五夜は旧暦の8月15日とされていましたが、新暦を使っている現代に当てはめると、いつになるのでしょうか。 旧暦と新暦は1年の長さが違うため、その年によって十五夜の日にちも変わってしまいます。

なぜなら、旧暦は月の満ち欠けを、新暦は太陽の動きを基準としているからです。 旧暦は1年が354日となります。そのため、1年で暦と季節に11日のずれが生じ、約3年ごとに「閏月」を挿入。1年を13ヵ月に調整していました。

そのため、新暦では日にちが一致せず、十五夜と満月のタイミングも1~2日ほど変わってしまう年も少なくありません。 以下は今後数年の十五夜、満月の日程となりますので、参考にしてみてください。

西暦十五夜満月
2024年9/179/18
2025年10/610/7
2026年9/259/27
2027年9/159/16
2028年10/310/4
2029年9/229/23
2030年9/129/12

月見団子だけじゃない!十五夜のお供え物

十五夜のお供え物と言えば「月見団子」ですが、何か意味や由来があるのでしょうか。 月見団子やススキなど、十五夜の供え物について紹介します。

月見団子

十五夜のお供え物と言えば、やはり月見団子が定番です。 月に見立てた丸い団子を15個お供えするこちらは、秋の収穫に対する感謝や次の季節の豊作を祈る意味があります。 また、十五夜が終わった後にこの団子を食べると、月の力が分け与えられ、健康と幸せを得られるという謂れも。

ちなみに、中国の風習に倣ったものですが、お月見が普及した江戸時代前期から月見団子を供えていたわけではありません。 実際の時期は、江戸時代後期の風俗記録である「守貞漫稿」で月見団子を供える記述があったことから、その風習は中期以降に始まったと考えられています。

ススキ

お月見にススキを供えることも見られますが、これはもともと稲穂が飾られていました。 しかし、十五夜の時期には稲穂がなくなっていることも多く、次第に似た形のススキが使われるようになったのです。

また、ススキには魔除けの効果があると言われ、邪気や災いを遠ざけ、豊作を願う役割もあります。

里芋

十五夜の時期は里芋の収穫も重なり、これを供えることも多く見られます。 そのため、十五夜は芋名月(いもめいげつ)と称されることもあり、里芋の収穫祭としての意味合いが強いという説も。

ちなにみ、月見団子を供える理由も、サトイモに形を似せるためとも言われています。

十五夜のような美しい自然の景色を守るには

十五夜のような自然と共にある風習は大昔から続いているため、大切にしたいと考える人も多いのではないでしょうか。 しかし、自然の美しさは絶妙なバランスで保たれているものです。

そのため、人間の活動は自然界に多くの影響を及ぼします。 私たちの行動によって、十五夜の美しい月が見られなくなってしまうことがないよう、環境に悪い習慣に注意し、身近なリサイクルを心がけるなど、自然に配慮した行動を意識しましょう。

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