水資源の問題は世界規模!水不足の原因や危険性を解説
地球は水の惑星と言われていますが、実は水資源の問題が懸念されています。 水資源の問題とは、実際にどのような状況なのでしょうか。
また、水資源の問題は何が原因で、どのようなリスクがあるのか、知りたいところですよね。 水資源の問題をご紹介します。
目次
水資源の不足が世界中で深刻な問題に
日本で生活していると、実感する機会は少ないことですが、実は地球の水資源は限られています。 地球の海洋と陸地の割合は7:3と、ほとんどが水となりますが、それでも多くの人が水不足に悩まされているのです。
なぜなら、地球の水は98%が海水で、淡水は2%となり、その大部分は南極や北極の氷山であるため、私たちが利用できる水は0.01%にも満たないからです。 そのため、現在は世界の約7億人が水不足の状態で生活し、中には不衛生な水を利用することで命を落としてしまうケースも。 不衛生な水の利用により、死亡する乳幼児は毎日800人以上に及ぶとも言われています。
このような水不足の問題には、水ストレスという指標が存在します。 水ストレスは「人口一人当たりの年間使用可能水量」もしくは「年利用量/河川水等の潜在的年利用可能量」が用いられます。 年間使用可能水量であれば、1,700トンを下回り、日常生活に不便を感じる状態を示したものが、水ストレスです。
水ストレスが高い状態になると、国内の農業や工業、生活用水が不十分に使えない人が80%と、非常に不足している状態となります。 そのレベルの水ストレスに直面している地域は世界17カ国、18億人と言われていますが、今後はさらに深刻な問題になると考えられています。
水資源の不足は何が原因?世界人口の増加や気候変動
水資源が不足してしまう理由は、何かあるのでしょうか。水資源が不足する原因を考えてみましょう。
人口の増加と産業発展による水利用
世界の総人口は2020年に約78億人を突破し、2050年には97億人に達すると推計されています。 人口が増えれば増えるほど、水の使用量は増えることは当然のことです。 これからも、水の需要は高くなり、不足具合は深刻化することになるでしょう。
さらに、水は工業や農業に利用されます。 産業が発展することで生活レベルが向上し、利用される水の量も増えてしまいます。 人が増え、発展することで水はどんどん不足してしまうのです。
気候変動による水の減少
地球上に水が存在していたとしても、必要な分だけ必要な場所へ分配されるわけではありません。 なぜなら地域によって気象や降水量は異なり、安定したものではないからです。
さらに、気候変動により、降水量や雨の頻度は変化し、水供給の不安定が加速化しています。 干ばつに悩む地域があれば、逆に洪水が起こることもあり、気候変動は水資源が安定しない原因となっているのです。
人間活動による資源の破壊と汚染
人間の活動によって水資源が破壊されてしまうケースもあります。 都市化による開発で、水田が消失、水を蓄積する力がある森林を伐採など。
さらに、人間が排出する生活排水や工業排水が、河川や地下水に流出し、汚染してしまうこともあります。 浄水処理を行う技術は存在しますが、インフラが整っていない国も少なくありません。 そのため、汚染された水は使用できなくなり、安全な水は不足してしまうのです。
水資源の不足が深刻化すると世界にどんな影響が?
水資源が不足したとき、私たちの生活はどのように変化してしまうのでしょうか。 水資源の問題によって発生するリスクを確認してみましょう。
水利用の制限
私たちの生活は、当然のように大量の水を使用していますが、水資源が不足してしまったら、それが制限されてしまいます。 まず、決まった時間に順次断水されることや、公園やプールといった施設の水が停止されることでしょう。 さらに水が不足した状態になれば、公共トイレの閉鎖や消防活動の水も確保できなくなるかもしれません。
食糧危機
農業には大量の水が必要です。 それは、1キロの穀物を生産するには、その1,000倍以上の水が必要と言われているほどです。 そのため、水資源が失われてしまったら、食糧不足につながります。
これから、人口増加によってさらに食糧が必要になります。 つまり、さらに水が必要となり、水資源の確保が難しくなることでしょう。
国際紛争
水の確保を巡って、国際紛争が起こることもあります。 スロバキアとハンガリーの間で起こった、ドナウ川の水を巡る紛争。インドとパキスタンによるインダス川を巡る紛争など。 既に水を巡る紛争はいくつも勃発しています。 今後も紛争が予測される地域もあり、さらにこの問題は激化していくことでしょう。
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水資源の不足に対して個人でやれることは?
このように、水資源は貴重になり、日本で生活する私たちも水を得られなくなる日もやってくるかもしれません。 そのような危機を避けるために、水を節約したいところですが、私たちが家庭でもできる術はあるのでしょうか。
細かいところを挙げれば、料理や食器洗い、お風呂など、流しっぱなしにしないことを徹底するなど、節水を心がけることです。 他にも、シャンプーや洗剤を使いすぎず、汚れのついた食器や調理器具は新聞紙などで拭いてから洗うなど、生活排水の汚れを減らすことも水を大切にすることにつながります。
また、このような問題を知ることも、世界の流れを変えるきっかけになると言えます。 SDGsのような国際目標や、サスティナブルな取り組みを行う企業を応援するなど、環境問題の情報を収集してみてください。