日本・世界で一番寒い場所！陸別町とオイミャコンの衝撃気温

ecotopia編集部
2025年1月1日

冬の寒さが厳しくなってくると、外に出るのも億劫になりますが、もっと寒い地域で過ごす人のことを考えると、そう言っていられませんよね。だとしたら、日本で一番寒い地域はどこにあるのでしょうか。

日本で一番寒い町は「陸別町」となり、世界で一番寒い村はロシアの「オイミャコン」と言われます。どれだけ寒い環境なのか、それぞれの特徴をご紹介します。

日本で一番寒い町は北海道の陸別町

日本で一番寒い町として知られる「陸別町」は、北海道十勝総合振興局管内の足寄郡に位置しています。気象庁が観測している1991～2020年のデータによると、1月の平均気温は-11.1℃で、一日の最低気温は-19.6℃を記録。

観測史上最低気温としては、2000年の1月27日に地域気象観測システム「アメダス」による観測で-33.2℃を記録しました。しかし、アメダス導入前は1977年2月1日に-35.5℃、1978年2月17日は-38.0℃という記録もあります。

陸別町は北海道の中心より、やや東に位置している

この寒さは陸別町にとって観光の目玉でもあり、耐寒イベントの「しばれフェスティバル」では、会場で一晩過ごす「人間耐寒テスト」の他に、アイドルやお笑い芸人によるステージショー、打ち上げ花火といった催し物が行われるほどです。ちなみに「しばれ」は北海道の方言で「寒い」や「冷え込む」を意味する「しばれる」に由来しています。

また、1997年には環境省による「星空にやさしい街10選」に認定され、これをきっかけに「銀河の森天文台」を設置し、澄んだ空気の中で星空を楽しむことも可能です。冬季は稀にオーロラを観測できることも知られています。

世界で一番寒い村はロシアのオイミャコン

世界で一番寒い村と言えば、ロシアサハ共和国の北東に位置する「オイミャコン」です。年平均気温は-14.9℃(陸別町ですら4.8℃)で、2018年の1月17日に-65℃、1926年1月26日に-71.2℃(測定法には議論がある)を記録するなど、地球上の定住地の中で最も寒い場所と言われています。

これがどれだけ凄まじいことなのか。以下のような環境が挙げられます。

凍結してしまうため水道は存在しない
洗濯物は干した瞬間に凍り付く
細菌もウィルスも増殖しないため風邪をひかない
排泄物も瞬時に凍るため臭くない
氷が溶けないため車はスリップしない

さらに、このオイミャコンは夏の日中に30℃を超える暑さを記録することもあり、季節によって温度差の激しい地域でもあります。

オイミャコンの位置。地図上だと意外に日本から近い

そんなオイミャコンですが、寒中マラソン大会が行われることも。気温-50℃以下の環境は、髪の毛どころかまつ毛まで凍り付きますが、それでも完走するランナーは存在します。こんな話を聞いてしまうと、日本の冬はまだまだ温暖だと思えてしまいますね。

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世界で一番寒い場所は南極大陸

過酷な環境のオイミャコンですが、あくまで北半球で最も寒い場所。世界で一番寒い場所はもちろん「南極大陸」です。

最低気温はボストーク基地で1983年7月21日に記録された-89.2℃。これはあくまで直接観測によるもので、衛星観測については−98.63℃という数字が記録されたとも言われています。

そんな南極では人の定住は難しいものの、生活者がまったく存在していないのか、と言えば、そうではありません。例えば、チリ領南極の領域にあるキングジョージ島では、ビジャ・ラス・エストレージャス(Villa Las Estrellas)と呼ばれる町が存在し、ここでは80～150人ほどの住民が暮らしています。

住民のほとんどはチリ空軍の基地で働く軍人とその家族ですが、幼稚園や小学校もあり、スーパー、観光客用のみやげ物販売店もあるため、ものすごく不便な生活を送っているわけではないようです。ただ、ビジャ・ラス・エストレージャスで暮らす場合、虫垂炎になったら即時の手術が受けられず、命にかかわる事態になってしまうため、事前に虫垂を切除する必要があります。また、動物保護の観点から犬を飼うこともできません。