かくれ資産とは?日本に眠る60兆円超えの資源を活用する道は

かくれ資産とは?日本に眠る60兆円超えの資源を活用する道は

使っていないのに、なんとなく処分できない。そんな不用品が皆さんの家庭にどれだけあるか、考えたことはあるでしょうか。 理由もなく、処分されないまま保管している不用品を「かくれ資産」と言いますが、その価値は想像以上かもしれません。

今回はかくれ資産の価値や経済効果についてご紹介します。 ぜひ家庭の中で眠っている不用品について、考え直すきっかけにしてみてください。

かくれ資産とは?日本に眠る67兆円の価値

かくれ資産は「1年以上使用しておらず、理由もなく家庭内で保管している不用品」を指します。 家電や雑貨など、まだまだ使えるにも関わらず、何となく処分も先延ばしにして、保管を続けているものは意外と多くあるのでないでしょうか。

環境省のレポートでは「2023年時点で日本の家庭に眠るかくれ資産の総額は約67兆円」とあります。 しかも、2018年は約37兆円、2021年は約44兆円と拡大傾向に。 ちなみに、67兆円という金額は、世帯数で割ると1世帯あたり平均110.6万円。国民1人あたりに換算すると約53.2万円となります。

つまり、日本には多くの資源が家庭内で眠り、そんなかくれ資産を活用できれば、大きな経済効果につながると言えるでしょう。

参考:環境省 リユース等を取り巻く社会動向とこれまでの環境省の取組

かくれ資産を循環させるリユースの力

1960年代の高度経済成長期から大量生産・大量消費のサイクルが主流となりましたが、現在は限りある資源を有効活用し、持続可能な形で循環させる「循環型社会」に移行しつつある時代です。 環境問題や人口増加によって資源の枯渇が懸念されるなか、循環型社会の形成は人類にとって大きな課題ではありますが、これを実現するためには、かくれ資産の活用も関係していると言えます。 では、かくれ資産を循環させ、再び活用させるためには、どのような手段が挙げられるでしょうか。

第一の手段としてはリユースが挙げられます。 リユース(Reuse)とは、ものを繰り返し使うこと。日本語で表現するとしたら「再利用」や「再使用」となります。 かくれ資産を循環させるためのリユースとしては、 使えるにも関わらず保管しているだけの不用品をフリマアプリやネットオークション、リサイクルショップを利用して、お金に変えることです。

自身では利用しないと思ったものも、必要としている人がどこかに存在しています。 積極的にリユースを心掛けることは、不用品だったものがお金に変わり、次の持ち主に渡って再び価値を生み出すという好循環が生まれるだけでなく、ごみを減らす行為でもあるため、二酸化炭素排出を抑制するといった環境対策につながるはずです。 家庭にある不用品を整理したい。引っ越しでたくさん不用品が出た。そんなときは、ぜひリユースを意識してみてください。

また、リユースと言いえる行為は不用品をお金に変えるだけでなく、日常的に行動できるシーンはたくさんありますので、ぜひ以下の記事を参考にして、取り入れられるものがあればチャレンジしてみましょう。

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リユースが広まらない理由とは

リユースは経済の活性化や環境対策になり得る行動であり、フリマアプリの普及やリユースショップの拡大によって身近になりましたが、多くの人に広まっていない現状もあります。 環境省の調査によると、過去1年でリユース品を購入・利用した人は全体の3割程度という結果でした。

参考:環境省 令和6年度 リユース市場規模調査 報告書

これには、消費する側の人間が持つ「心理的なハードル」が原因の1つとして挙げられます。 例えば「誰が使ったのか分からない」「汚いかもしれない」といった衛生的・品質的な懸念。 他にも「どうせ買うなら新しいものがいい」という新品ならではの満足が優先されることも。 また、偽造品や盗難品といったリスクを考えることも、リユース品の購入をためらう心理的なハードルと言えるでしょう。

ただ、こういったリユース品に対する不安を払拭するため、業界ではさまざまな取り組みが行われています。 回収された商品に対する検品・クリーニングはもちろん、詐欺や偽装品を防ぐための本人確認やトラブル保証制度など、安全性は以前よりも各段に高まっているのです。 業界の努力により、リユース品のリスクは軽減されつつあります。資源循環のため、環境対策のため、今後はぜひリユースを意識して取り入れてみてください。

不用品のリユースを体験してみよう

このように、リユースはこれからの社会に大きな影響をもたらす行動だと言えます。 昨今はリユースに触れられるサービスも増えました。 それは買取サービスだけでなく、寄付と言った手段も存在しています。 多くは気軽に利用できるものなので、機会があればぜひ試してみてください。

またリユースが広まらない理由として、そのメリットが十分に理解されていないから、というケースも少なからずあります。 リユースはかくれ資産を循環させ、環境問題を抑制するという点だけでも、大きなメリットがあると言えるはずです。 より良い社会を目指すためにも、リユースの魅力をぜひ多くの人にシェアしてみてください。

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