温暖化による海面上昇で沈む恐れがある5つの国!深刻な状況とは
地球温暖化現象は、私たちの生活にさまざまな影響を及ぼしています。 その1つが海水の膨張や氷河・氷床の融解により、海面の平均水位が上昇する現象です。
そして、この海面上昇によって沈む恐れがある国が話題になっていることをご存じでしょうか。 今回は海面上昇によって沈む恐れのある国の特徴や現状をご紹介します。
温暖化による海面上昇で沈む恐れがある5つの国
温暖化の進行によって沈んでしまう恐れがある国はいくつかあります。その中でも代表的と言える国が以下の通りです。
- ツバル
- マーシャル諸島
- モルディブ
- キリバス
- バングラデシュ
それでは、各国の特徴は現状を見てみましょう。
ツバル
ツバルは9つの島によって構成される立憲君主制国家で、オセアニアに位置しています。 珊瑚礁が豊かな美しい海に囲まれるツバルですが、海抜が非常に低く、最高点は4.5メートル。 3メートルを越える土地もほとんどありません。
かつてから、地面より海水が湧き出す現象が観測されていましたが、近年は頻度が増え、低地の道路や住居で浸水の被害が続出しています。 また、ツバルでは砂の採掘が盛んですが、これが影響して自然な砂の流れを妨げてしまい、海岸侵食が深刻に。 さらには都市化による生活排水の増加が原因の汚染も深刻で、天然の防波堤である珊瑚礁が減少しています。
こういった状況によって、海面上昇の深刻度は増し、2023年にはオーストラリアへ移住できる法的枠組み、通称「気候ビザ」が連結され、ツバル国民が住まいを失う危機に直面した際は支援を受けられる、という世界でも珍しい事例が注目されました。
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マーシャル諸島
マーシャル諸島は29の珊瑚礁と5つの島で構成された、太平洋上に浮かぶ島国です。 こちらも美しい海に囲まれた地域ですが、平均海抜は2~3メートルと、かなり低くなっています。 ツバルと同じように都市化によるごみ問題が原因で珊瑚礁が劣化。海岸浸食によって砂浜が失われ、国土が徐々に削られています。
もし、海抜が1メートル上昇した場合、首都マジェロ環礁は80%が失われるという予測がありますが、マーシャル諸島は地球温暖化現象の原因となる温室効果ガスの排出量は世界全体の0.004%に満たないため、国際社会に不公平を訴えると同時に、資金的な支援を呼びかけています。
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モルディブ
モルディブ共和国は、1,192の島から構成される国で、インドとスリランカの南西に位置しています。 平均海抜は1.5メートルと低い上に、珊瑚礁やマングローブ林の死滅によって海岸浸食が進行。 島民の生活用水として使われた井戸水が塩水化するといった被害も出ています。
ただ、モルディブ政府はこの危機に対応するため、人工島「フルマーレ」を造成。 こちらは今後100年間の海面上昇に耐えられるよう設計されているため、既に多くの国民が移住を進めています。
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キリバス
キリバス共和国は33の環礁から構成される太平洋上に位置する国です。 平均海抜は2メートル以下となり、キングタイドと呼ばれる大きな高潮がくると、島全体が冠水するほど、深刻な状況となっています。
塩害によって水も食料も不足し、海水温の上昇の関係で漁獲量が減少するなどの影響もあり、キリバス政府は2014年にフィジーの土地(約20平方キロメートル)を非難用地として購入(2021年からは中国の技術視線を受けて商業農業用地に方針を転換)するなど、異例な措置を取りました。
バングラデシュ
バングラデシュは南アジアにある共和制国家で、これまで紹介した国々とは違って島嶼国ではありません。 しかし、国土の多くがガンジス川、ブラマプトラ川、メグナ川の巨大なデルタ地帯に位置しているため、土地の約半分が標高6~7メートル以下と低い地形であり、その脆弱性が指摘されています。 塩害による水と農業の危機、異常気象によるサイクロンや高潮の頻発が深刻で、2100年までに海面が30~100センチメートル上昇した場合は、バングラデシュ沿岸部の17%の土地が失われる、という予測もあるほどです。
これに対し、政府は「バングラデシュ・デルタ・プラン 2100 (BDP2100)」を策定。 気候変動に適応し、災害リスクの軽減、水の安全、経済発展と食料安全保障に貢献することを目標としています。
深刻化する温暖化を防ぐためにできることは
このように、地球の温暖化が進むことで生活が脅かされている人がたくさん存在しています。 そんな人たちのため、私たちにできることはあるのでしょうか。
それはリユース・リサイクルを心掛けることです。 リユース・リサイクルは廃棄物を削減し、温暖化の原因と言える二酸化炭素の排出を抑制します。 リユースなら不用品を再利用、リサイクルならごみの分別を徹底するなど、身近なことから気を付けられる行動です。 これ以上、環境問題を悪化させないよう、ぜひリユース・リサイクルを意識してみてください。










