プラスチックを食べる虫が登場!効果的な処分と言えるか疑問も
世界を震撼させる、プラスチックごみの問題は、未だに解決の糸口すら見つからない状況です。 しかし、最近の研究ではプラスチックを食べる生物が発見された、という報告もあります。
今回、ご紹介するのは、プラスチックを食べる虫ですが、問題解決に至る可能性を秘めているのでしょうか。 プラスチックを食べる虫の発見と問題点などをご紹介します。
プラスチックを食べる虫を発見!
分解されることなく、いつまでも自然界に残って、汚染を広げるプラスチックは、今では世界共通の問題です。 このプラスチック問題を解決するのは、もしかしたら意外な生き物かもしれません。
以前、プラスチックを分解する酵素が発見された、と話題になりましたが、今度は虫に新たな可能性が見出されました。 それは、ハチノスツヅリガの幼虫、ワックスワームというイモムシです。
ワックスワームは、自然界で分解できないポリエチレン・プラスチックを食べる、という性質があると言うのです。 ワックスワームは蜂蜜を食べるために、蜂の巣に住み着くことから、養蜂にとっては害虫として知られるイモムシです。 そんなワックスワームは、なぜプラスチックを食べられるのでしょうか。
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ワックスワームがプラスチックを食べる
ワックスワームがプラスチックを食べるという発見は、偶然のものでした。
スペインの発生生物学者、フェデリカ・ベルトチーニ氏がミツバチの巣箱を掃除していたところ、巣に寄生していたワックスワームを見つけたため、排除してからビニール袋へ入れました。 すると、ビニールに穴が空いていることに気付き、ワックスワームがプラスチックを食べる可能性があると考えたのです。
さらに、カナダの大学の研究チームによると、ワックスワームの体の中にある、腸内細菌がこの分解能力の正体であることを突き止めました。 この腸内細菌はポリエチレンのみで繁殖し、1年以上生きることも確認されています。
また、プラスチックのみを食べたワックスワームは腸内細菌が増え、逆に腸内細菌を取り除くとプラスチックの分解能力が著しく低下しました。 これはワックスワームと腸内細菌が協力関係にある状態で、プラスチックが分解される、と考えられました。
ワックスワームの研究が進み、応用されることで、プラスチック問題解決の糸口として、大きく期待されています。
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虫に食べさせるよりもリサイクルと削減
しかし、この研究結果に対し、待ったと主張する科学者もいるようです。 プラスチックを食べるワックスワームの存在は興味深いことであっても、処分方法として適切とは言い切れない、とも言われているのです。
なぜならば、ポリエチレンは高品質なプラスチックであり、他の製品にリサイクルすることも可能だからです。 大切な資源を虫に食べさせてしまうよりは、まずはリサイクルに集中すべきだ、ということでしょう。
確かに、新しい処分方法を見つけることも大切ですが、リサイクルやリデュースを優先した方が、無駄を出さないと言えます。 また、これからプラスチックが増えないように、削減を心がけることも重要です。 プラスチックの問題を本当に解決するためには、私たちが真剣に資源と向き合う必要があるのかもしれませんね。
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虫に頼らず削減とリサイクルを意識しよう
プラスチックを食べる虫、ワックスワームの研究は、人類にとって新たな可能性と言えます。 しかし、その研究が効果的にプラスチックを処分するまで時間はかかると思われます。 それまでに、地球はプラスチックに埋もれてしまうかもしれません。
今の私たちにできることは、やはりプラスチックのリサイクルや削減でしょう。 ゴミの分別を徹底することや、可能な限りプラスチック製品を選ばないなど、できることから意識してみましょう。
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