循環型社会・サーキュラーエコノミーとは?リサイクルとの違いをわかりやすく解説

循環型社会・サーキュラーエコノミーとは?リサイクルとの違いをわかりやすく解説

環境問題の脅威やリサイクル・リユースの重要性は、これまで以上に注目度が高まっていますが、そんな中で「循環型社会」というワードも耳にすることも増えています。循環型社会とは、どのような社会を指しているのでしょうか。

こちらの記事では、循環型社会の意味や注目されるようになった経緯などをご紹介しています。また、循環型社会を支えるために、個人でも取り込める行動も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

循環型社会とは?なぜ今必要とされるのか

それでは、循環型社会の意味や必要とされている背景からご紹介します。

循環型社会とは

循環型社会とは「有限な資源をできるだけ捨てずに、何度も循環させて使い続けることで、環境への負荷を減らす社会」を指す言葉です。

行政上の初出としては、従来の「大量生産・大量消費・大量廃棄」に対比する概念として、1990年に日本の環境庁(現・環境省)が設置した「環境保全のための循環型社会システム検討会」で用いられています。 そして、2000年に循環型社会形成推進基本法が成立。国を挙げて目指すべき具体的な社会像として正式に定義されました。 また、類似の概念としてサーキュラーエコノミー(circular economy・循環経済)があり、こちらは2015年以降、国際的に使われるようになっています。 循環型社会とサーキュラーエコノミーの大きな違いは以下の通りです。

  • 循環型社会:環境問題(ごみ危機)の解決を出発点とした、市民・行政・企業が一丸となって目指す社会全体のモラルやライフスタイルの仕組み。
  • サーキュラーエコノミー:経済成長(資源の確保)を出発点とした、ごみをゼロにする設計で利益を生み出す新しいビジネスモデル・経済戦略。

意味はほぼ同じであり、メディアや政府の書類でも、この2つを同じ意味として並べて使われますが、歴史背景やニュアンスに少し違いがあると言えるでしょう。

社会の限界

循環型社会がなぜ求められているのか。その背景には現在の社会システムの限界があります。

これまでの「大量生産・大量消費・大量廃棄」の社会は一方通行型の経済モデル「リニアエコノミー(Linear Economy )」と言われていました。 地球から資源を「掘り出し」、製品を「作って」、使い終わったら「捨てる」という一方通行の社会は、人類に豊かな暮らしをもたらしましたが、同時に2つの巨大な代償を生み出します。それが「資源の枯渇」と「ごみ問題」です。

製品を作るために必要な天然資源は、地球が何億年もかけて蓄えてきた「限りある資産」ですが、現在のペースで消費を続ければ、近い将来に底を突くと警告されています。 捨てられるごみについても、その多くは焼却されるか、地中に埋め立てられますが、その行きつく場所である、最終処分場の寿命は残りわずかと限界が近い状況です。

このままでは、何も生み出せず、ただごみが残る最悪な未来が訪れてしまいます。 それを避けるためにも資源を循環させ、環境負荷を抑える社会の形成が必要とされているのです。

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2050年のゴールに向けて

循環型社会の形成が進められる、もう1つの理由としては世界中で掲げられている「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする(カーボンニュートラル)」という目標があります。

そのため、再生可能エネルギーの導入やEV(電気自動車)の利用が進められていますが、それだけでカーボンニュートラルは実現できません。 なぜなら、モノの製造や流通、廃棄といったライフサイクルの中からも、多くの温室効果ガスが排出されているからです。

温室効果ガスは気候変動という世界規模の環境問題を悪化させるため、その排出を抑制する循環型社会の形成は、重要な取り組みと言えるでしょう。

循環型社会とリサイクルの違いとは

循環型社会と聞いて、リサイクルを連想する方も多いのかもしれません。 しかし、循環型社会とリサイクルはイコールではなく、決定的な違いがあります。

まずリサイクルは「使い終わったモノがごみになったあと、どうやって回収し、資源に戻すのか」という視点です。 これに対し、循環型社会が目指す形は「資源の消費を抑え、廃棄物をできるだけ出さないように循環させる」という視点になります。

そのため、世界的にサーキュラーエコノミーの推進を目的とするエレン・マッカーサー財団は、資源を回すループは以下のような「優先順位」があると提唱しました。

  • 最優先:リペア 修理して長く使う 持ち主の元でそのまま形を維持・長寿命化
  • 次に優先:リユース 再利用・再販 売別の人に渡してそのままの形で使う
  • その次に優先:リマニュファクチャリング 再製造 部品を分解・洗浄して、新しい製品に組み込む
  • 最終手段:リサイクル 再資源化 これ以上、使えないモノを砕いたり溶かしたりして「原材料」に戻す

参考:Ellen MacArthur Foundation Butterfly Diagram | Circular Economy Infographic

これは、どちらかといえば循環型社会よりもサーキュラーエコノミーの考えに近いものですが、あくまでリサイクルは最終手段となっています。 なぜ、リサイクルが最終なのか。それはリサイクルが他の手段に比べて膨大なエネルギーを必要とするからです。

例えば、各家庭からごみをトラックで回収する、リサイクル工場でごみを細かく砕いて洗浄する、熱で溶かして新しい原材料に加工するなど、その過程でエネルギーを消費して二酸化炭素を排出します。 またリサイクルは素材の劣化や品質低下を伴う、という弱点もあり、循環型社会が目指す「資源が永久に回り続ける」という視点を考えると、優先準備は低くなってしまうのです。

循環型社会を支える3つの取り組み

次に循環型社会を形成する上で重要な3つの取り組みをご紹介します。

廃棄物と汚染を出さない設計

以前は「ごみが出たらどう処理するか」という考えでしたが、循環型社会やサーキュラーエコノミーでは「最初からごみが出ないように製品をデザインする」というアプローチを取ります。 例えば、シャンプーや洗剤は使い終わったらボトルを捨てるか、詰め替え用のパックを購入していましたが、固形シャンプーであればごみは発生しません。

他にも、ペットボトルの飲料水は飲み終わった後、プラスチックのラベルが剥がさなければなりませんでした。 しかし、商品名や原材料の表示をペットボトルに直接記載する設計に変更すれば、ラベルのごみを削減できます。

このように、原材料の選定から製造プロセスに至るまで、有害物質や無駄な廃棄物を徹底的に排除する設計が、今後は大切となるのです。

製品と素材を価値の高いまま使い続ける

作られた製品や資源はできるだけ長く使い、価値が高い状態で循環させることも大切な考えです。 例えば、製品の修理や部品交換を容易にするだけでも、製品の寿命を長くする取り組みと言えます。 使わなくなったオフィス家具や店舗什器、衣類も廃棄せず、リユースに回すといった行動も、新しい製品を作るために必要なエネルギーを削減するため、企業間でも脱炭素アクションとして導入が進んでいます。

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自然のシステムを再生する

ごみを減らして資源を回すだけでは、私たちに恵みを与えてくれる自然は回復しません。 これまでは、自然に与える負荷を削減することが目標とされていましたが、循環型社会では「人間の経済活動が回れば自然も回復する」というネイチャーポジティブが重視されています。

木材、紙、繊維、食品といった私たちが必要とするものは、すべて自然から生み出されたものです。 そのため、自然を回復させる必要がありますが、さらには気候変動を止めるカーボンニュートラルに直結する取り組みと言えます。

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誰でもできる循環型社会につながるアクション

このように、循環型社会はごみの焼却や無駄なものづくりによる二酸化炭素の排出を減らし、ネイチャーポジティブによって自然の吸収力を最大化することで、環境問題の根本的な解決を目指す考えです。

循環型社会形成のため、私たちが個人的に何か心掛けられることはあるのでしょうか。

それは、リサイクルやリユースを徹底することです。 リサイクルの身近な例で言うと、ごみの分別を徹底して、再資源化を促すことです。

循環型社会において、さらに優先度の高いリユースの身近な例は、マイボトルやマイバックを繰り返し使う。 さらにはフリマアプリを利用して、使わなくなったモノを売買するといった行動も挙げられます。 昨今ではリユースショップやフリマアプリなど、リユースに触れる機会が増えています。

もし、使わないものが出てきた、新しいものを必要としている、といったタイミングがあれば、リユースという選択肢をぜひ思い出してみてください。

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