死海が縮小して消滅の恐れ!もう水上でのんびり浮かべないのか?

死海が縮小して消滅の恐れ!もう水上でのんびり浮かべないのか?

子供の頃は「死海」と聞くと恐ろしい場所を想像しなかったでしょうか。
実際の死海は、人の体が沈まない湖として有名で、ぷかぷかと浮いた人々が優雅に本を読むような観光地です。
しかし、そんな死海が消滅してしまう恐れがあります。
死海で優雅に水の上を浮いてみたい、と思ってもそれが叶わなくなってしまうかもしれません。
死海に何が起こっているでしょうか。

死海とは

死海はアラビア半島の北西部にある塩湖です。
西側がイスラエル、東側がヨルダンに接していて、地表で最も低い場所としても知られています。
そして、死海の特徴として最も有名なのが、人の体が沈まないほど浮力が大きいことです。

この浮力の原因は死海の塩分濃度が関係しています。
海水の塩分は約3%の濃度であるのに対し、死海では約30%も濃度があります。
死海は塩分が濃いため、水の密度が高く比重が大きくなります。
その結果、浮力も大きくなり、人間の体も浮いてしまうのです。

また、その塩分濃度の高さから、死海では魚が生息できません。
そのため、死海という名称なのです。
死海の塩分が高い理由は、まず海抜が低いために、湖から流れ出る川がないことが挙げられます。
水が循環されない上に、温かく乾燥した気候のため、水が蒸発してしまうことから塩分濃度が高くなると考えられています。

死海が消えてしまう?

地形や気候の関係から、奇跡的な環境が作られたと言える死海ですが、地球上から消滅してしまう恐れがあります。
これは20世紀の中頃から観測されていたことで、湖面が少しずつ低下していることがわかっています。
この40年間、1年に1メートルのペースで湖面が低下しているため、2004年には海抜マイナス417メートルであった死海ですが、2014年では同428メートルになっていることが確認されています。
そのため、2050年には完全に干上がってしまう、との意見もあります。

また、近いうちに中央部分にある半島部分が、対岸とくっつくことで、二つの湖になってしまうとも言われています。
この湖面の低下は何が原因で起こっているのでしょうか。

湖面低下の原因は?

最大の原因は、ヨルダン川とその支流から、大量に水を汲み上げているためだと考えられています。
これはイスラエルやヨルダンが、1960年代以降に、飲料水や工業水などに利用するため、水を必要としていたからです。
死海はヨルダン川から流れ込む水と、その気候による水の蒸発が、絶妙なバランスを保っていました。
しかし、水が大量に汲み上げられることから、水は蒸発する一方で、水位が減ってしまっているのです。
また、温暖化による降水量の減少も原因の一つと言われています。

これに対し、イスラエル、パレスチナ自治区、ヨルダンは、巨大なパイプラインによって、紅海から死海に水を補充する、という計画が立てました。
この計画について、専門家は政治的にも経済的にも難しいとコメントしている様子で、簡単には完成できない様子です。

死海の危機はこれだけではありません。
死海の周辺のリゾート地で、シンクホールと言われる恐ろしい現象が起こっています。
シンクホールは突然地面に穴が空く現象で、対策が困難だと言われています。

これは、淡水が塩を溶かすことで、地下にあった塩の層が消滅しまい、巨大な空間ができてしまうことが原因で起こります。
突然、自分の真下に穴が空いたらと思うと、とても恐ろしいことではないでしょうか。
この危険なシンクホールの多発が、死海周辺の観光産業も大打撃を与えてしまうことも予測されているのです。

環境問題による様々な影響

死海の湖面低下もシンクホールも、人間の活動の結果によるものです。
絶妙なバランスで保たれている地球の様々な奇跡は、環境問題によって失われようとしています。
自然が失われては、人間にも大打撃が返ってくることは間違いありません。
私たちは、これ以上環境が悪化することがないよう、エコやリサイクルを意識した生活を送るべきではないでしょうか。
ぜひ、生活の些細な場面でも、できるだけ資源を損なわないような方法を考え、実行することを試してみてください。

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