なぜ紙ストローが話題なのか?プラスチック問題の背景

なぜ紙ストローが話題なのか?プラスチック問題の背景

いま、何かと話題の紙ストロー。
ストローと言えば、プラスチック製が一般的でしたが、最近では紙のストローを使用するべきだと耳に入ってこないでしょうか。
テレビでもストローの特集を目にし、今後はプラスチック製のストローを使わない傾向にあるようです。
しかし、なぜいまプラスチックのストローをやめて、紙のストローが話題になっているのでしょうか。
紙ストローの話題の背景には、世界が抱えるプラスチックの問題がありました。

大手飲食店が紙ストロー導入

まず、どうして紙ストローがこんなにも話題になったのでしょうか。
紙ストローが大きく取り上げられるようになった理由としては、大手の飲食店がプラスチックのストローを廃止し、紙ストローを使用すると発表したことがあります。
2018年の6月、マクドナルドがプラスチック製のストローを廃止することを発表しました。
マグドナルドは、イギリスとアイルランドの店舗からストローの順次切り替えを開始し、マクドナルド全店での切り替えは2025年を目標としています。
2018年の7月、アメリカの大手コーヒーチェーン店であるスターバックスも、プラスチックのストローの廃止を発表しました。
2020年までに世界中にある店舗でプラスチックストローの廃止をスターバックスは進めています。
これに続くように、その他のチェーン店もプラスチックのストローを廃止し、紙ストローの導入を発表しています。

紙ストローがプラスチックストローより有利な点が多いのかと言えば、そうではありません。
紙ストローはプラスチック製よりもコストが高く、耐久性も低いという問題を抱えています。
それなのに、なぜこのタイミングで多くの飲食店が紙ストローの導入を一斉に決断したのでしょうか。

プラスチックによるゴミ問題

多くの飲食店が紙ストロー導入を一斉に発表した理由の一つとして、プラスチックによるゴミの問題があります。
プラスチックはコストパフォーマンスが高く、耐久性があり、腐敗しない特徴があります。
大変便利ではありますが、それゆえにゴミとなった場合は、いつまでも地球に残り、環境を汚染し続ける、という側面があるのです。
そんなプラスチックによるゴミ問題とは具体的に、どのようなものがあるのでしょうか。

プラスチックによる海洋汚染

ゴミの管理がしっかり行われていない地域から、適切に処理されていないゴミが海に流れ込む問題が世界中で起こっています。
この中には、もちろんプラスチックが含まれています。
プラスチックは1950年代から大量生産が始まり、現在も多くのプラスチックが海に流れ込んでいると考えられるでしょう。
プラスチックは微生物に分解されることはないため、ゴミとして長い間、海に存在し続けてしまいます。
2050年には海にあるプラスチックの量が、魚の量を超えるとまで言われています。
プラスチックによる海洋汚染は深刻な問題なのです。

海の生態系への悪影響

プラスチックは海に住む生き物に大きな悪影響を与えています。
クジラやオットセイなどの大型生物は、プラスチックのゴミを間違って飲み込み、死んでしまうことがあるのです。
他にも、プラスチックのゴミに絡まってしまった生物が怪我をしてしまい、結果死に至ることもあります。
釣り糸や漁網などの、絡まりやすいゴミも海の中には多く、これらが原因で死んでしまう動物は後を絶ちません。
これらの影響により、プラスチックによる生態系への悪影響に発展することも考えられるでしょう。

マイクロプラスチックの脅威

微小のプラスチックゴミをマイクロプラスチックと言います。
マイクロプラスチックは様々な脅威をもたらします。
プラスチックには様々な物質が付着しやすい特徴があり、有害物質が絡みついていることもあります。
そんなマイクロプラスチックを小さい魚が食べてしまい、その魚を大きな魚が食べることで、海洋生物の汚染が広がってしまうのです。
食物連鎖によってこれが繰り返されることで、有害物質の濃度が高くなることから、生態系に影響が出る恐れもあります。
それを食べた人間も何かしらの影響が出る恐れもあるでしょう。
また、マイクロプラスチックは回収することが困難であり、世界の海に5兆あるとも言われています。

中国のプラスチック輸入禁止

このような環境問題の他にも、ゴミ処理に関する大きな出来事がありました。
それは、中国が2017年末からプラスチックの輸入を禁止にしたことです。
これが世界のゴミ処理やリサイクルに、大きな影響を与えました。
多くの国は、プラスチックを始めとする、多くのゴミを資源として中国に輸出することで、処理をしていました。
中国は外国から、汚れたプラスチックを安く買取、洗浄した後にリサイクルすることで新たなプラスチック製品を生み出してきました。
しかし、汚れたプラスチックを洗浄する際に使われる洗剤などによる土壌汚染が深刻化してしまいます。
中国は外国の汚れたプラスチックをリサイクルすることで、自国の環境の悪化が進んでしまったことから、プラスチックゴミの輸入を禁止としたのです。
これにより、多くのプラスチックゴミが行き場を失いました。

そして、2018年の6月、カナダで開催された主要国首脳会議(G7)で、海洋プラスチック憲章が採択されることになります。
海洋プラスチック憲章は「2030年までにプラスチックのリサイクル率を55%以上、2040年までに100%とする」といった、プラスチックのゴミに関する多くの目標が定められました。
合意文章にアメリカと日本が署名しなかったことで非難を浴びることになりましたが、日本は「海岸漂着物処理推進法」を改正し、プラスチックゴミへの対策を表明しました。
参考:環境省 海岸漂着物処理推進法

なぜ紙ストローが話題なのか

紙ストローが話題になっている理由は、このようにプラスチックのゴミによる環境問題や、ゴミ処理の問題がありました。
この紙ストローの他にも、日々のニュースの中にも、環境問題やリサイクルの事情などが背景にあることもあるでしょう。
私たちは常に環境に対して配慮し、ゴミをできるだけ出さないように努力する必要があります。
解決するには非常に難しい問題ばかりですが、少しずつ意識しながら生活をしてみると良いかもしれません。

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