絶滅危惧種のワラビー!可愛い笑顔もピンチに?【絶滅動物シリーズ】
カンガルーによく似た可愛らしい動物、ワラビーをご存知でしょうか。 愛らしい姿をした動物ですが、ワラビーの中には、絶滅してしまった、または絶滅が危惧される種がいます。
どのようなワラビーが絶滅の危機に晒されてしまったのでしょうか。 また、ワラビーとカンガルーの違いなども解説します。
ワラビーとは
ワラビーはフクロネズミ目カンガルー科で、カンガルーやワラルーよりも小さい種のことを言います。 つまり、大型のものをカンガルー、中型がワラルー、小型がワラビーということです。
ワラビーは、カンガルーよりも後ろ足が小さくて、尻尾が短い特徴もあります。
ただ、後ろ足で跳ねて移動することや、お腹にある袋で子供を育てるなど、カンガルーと習性は同じです。
生息地に関しても、カンガルーと同じくオーストラリアの森林や草地など幅広く分布しています。
また、愛らしい姿が話題で、中でも「クアッカワラビー」は、いつも笑顔に見える表情をしていることから、世界一幸せな動物と言われることがあります。
絶滅が危惧されるワラビーの種類
そんなワラビーの中には絶滅してしまった種や、絶滅が危惧される種があります。 絶滅の危機に瀕しているワラビーとは、どんな種なのでしょうか。
ウサギワラビー
耳がやや長く、色も野ウサギのようなウサギワラビー。 彼らは草原で暮らすことが多く、日中は草むらで眠り、夜に活動していました。
1865年までは普通に見かけられましたが、1924年には絶滅していた恐れがあります。 その原因は、オーストラリアに人々が入植し、川が流れていた草原が牧場となり、畑などが増えたことから、ウサギワラビーの生息地が奪われたと考えられます。
シマワラビー
細い体が特徴的なシマワラビー。 乾燥して草が茂った場所で、草を主食として生息していました。
シマワラビーは1846年に発見されましたが、その頃は既に入植者による開発が進み、シマワラビーの生息地は狭くなっていまいます。 それにより、数は減少したものの、1924年までは存在が確認されましたが、それもたった4頭であり、1937年には完全に絶滅した、と報告されました。
ミカヅキツメオワラビー
ミカヅキワラビーは、肩の後ろに三日月状の斑点があることから「ミカヅキ」、尻尾の先に3mmほどの爪上の突起があることから「ツメオ」と名前に含まれています。
低木林やユーカリ林に生息し、茂みの中に浅く掘ったくぼみを作り、日中はそこで暮らしました。 1907年にオーストラリアで普通に見ることができましたが、1933年から減少。
絶滅が断定されたわけではありませんが、1933年以来にその姿は確認されていません。
クアッカワラビー
表情が笑顔に見えることから「世界一幸せな動物」と呼ばれるクアッカワラビー。 カメラを見ると積極的に寄ってくることから、その可愛らしい笑顔が写真に納められ、話題にもなりました。
しかし、そんな可愛いらしい笑顔を見せてくれるクアッカワラビーも絶滅の恐れがあるのです。 クアッカワラビーはオーストラリアの南西部に生息していますが、人間による生息地の破壊により生息数が激減しています。
ワラビーを絶滅させないためにも
このように、愛らしい姿のワラビーも環境問題によって、その数が減少しつつあります。 生物の多様性が失われる問題については、一人の人間がどうにかできるものではありません。
しかし、オーストラリアのカンガルーやワラビーの減少の理由には、人間が持ち込んだ動物による捕食が原因、というものもありました。 それは、しっかりとした知識を身に付けていなければ、自分の行動で動物の種が減少してしまう恐れがある、と言えるでしょう。 ぜひ、動物に関する知識を身に付けて、生態系が崩れないよう、意識をしてみてください。