異常気象?謎の現象「ファフロツキーズ」の原因とは
「例え、雨が降ろうが槍が降ろうが」という慣用句を聞きますが、戦国の世はとっくの昔に終わっている現在で、槍が降ってくることはなかなかありません。 しかし「そんなことは絶対にない」と言い切れないのが、この世界の不思議なところです。
空から槍が降ってくことは、流石にあり得ないかもしれませんが、雨や雪以外の不思議なものが降ってくる現象があることをご存知でしょうか。 それは、ファフロツキーズ、もしくは怪雨と言われる現象で、そこにあるはずのないものが降ってくることがあるのです。 ファフロツキーズとはいったい、どんな現象なのでしょうか。
目次
空から魚が降ってくる?
地球に住んでいれば、雨が降る日もあれば、雪が降る日もあります。 しかし、空から魚が降ってきた、なんて状況を目にしたことがある人は、決して多くはないでしょう。
誰かがイタズラで二階から魚を放り投げた、なんてことならあり得るかもしれませんが、イタズラで魚を雨のように降らせるなんてことは、かなり難しいことだと言えます。 そんな現象が自然の力によって起こるとしたら、貴方は信じられるでしょうか。 信じるも信じないも、そんな現象が世界の至る所で起こっているのです。
その現象が起こるのも地域や時期もバラバラで、数十年前のアメリカだったり、最近の中国だったり、日本でも起こったことがあります。 しかも、降るものも魚に限らず、カエルが降ることもあれば、トウモロコシが降ることもあるのです。
この空からあり得ないものが降る現象を「ファフロツキーズ」と名付けたのは、オーパーツという言葉を作ったことでも有名な、アメリカの超常現象研究家であるアイヴァン・テレンス・サンダーソン(Ivan Terence Sanderson)で、世界の怪奇現象の一つとして、広く知られています。
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ファフロツキーズの事例
それでは、実際にどのような事例があったのでしょうか。
魚介類
魚を代表とする水中に住む生き物が降ってくるケースは数多く存在します。 最近では2018年の6月、中国で雷雨の中、タコやヒトデ、アワビなどの海産物が降ったそうです。
1989年のオーストラリアでは小雨が降る中、約800匹の魚が降り、民家の芝生を覆いました。 1956年のアメリカでも、ナマズやバスなどの魚が降りました。その日は晴天でしたが、突然暗雲が現れ、魚を降らした後は白い雲に変わったそうです。
カエル
ファフロツキーズの中でも、カエルが降る事例は多いようです。 1901年のアメリカ、雨の日にカエルが落下して、町の4ブロックほどがカエルで埋め尽くされました。最大で8cmの厚さまで積もったそうです。
1981年のギリシャでもカエルが降っています。そのカエルの種類は北アフリカに生息する種類でした。 2009年、日本の石川県でもオタマジャクシが多数降っています。
赤い雨
1890年のイタリアでは、血の雨が降ったそうです。 これは強風で引き裂かれた鳥の血と思われていますが、それを裏付ける強風や鳥の死骸は発見されませんでした。
2001年のインドでは、赤みがかかった雨降っています。 調査によると、これには菌類の胞子が含まれていたようですが、出所は不明でした。
その他
その他にも様々なものが各地で降っています。 虫の幼虫が大量に降る、氷塊に閉じ込められたカメが降ってきた、など。
ワニが降ってきたケースもあり、しかも無傷で着地した後に周辺を徘徊し始めたそうです。 他にも、生き物だけではなく金属やお金なんかが降ってくるケースもあったとか。
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ファフロツキーズの原因は?
このファフロツキーズは何が原因で起こるのでしょうか。 誰かがヘリコプターや飛行機から、様々なものを落としているのでは、と考えられなくもありません。 もしかしたら、観測されたファフロツキーズの中には、そういった人為的なものもあったかもしれません。
しかし、この現象は江戸時代の日本でも見られ、ヘリコプターや飛行機を使ったとは言い難いケースもあるのです。 それでは、ファフロツキーズは、どのような原因で起こっていると考えられるのでしょうか。
竜巻説
竜巻が発生することで、周囲のものを巻き込み、上空へ放り上げらた後に、上昇気流によって遠くまで運ばれたのではないか、という説があります。
実際に海上で起こった竜巻によって、海水と一緒に魚が巻き上げられて、遠く離れた陸地に落下した事例もあるそうです。 確かに、ファフロツキーズには魚介類の落下が多く見られることからも、これが有力な説と言えるのではないでしょうか。
鳥が運んでいる説
鳥が水の中の生き物を食べることがあるため、鳥が咥えて陸地まで運んではないか、という説があります。
しかし、ファフロツキーズは大量のカエルが降ったケースがあるように、それを実現するには、かなりの数の鳥の群れでなくてはなりません。 もし、そんな鳥の群れが飛んでいたのであれば、事前に目撃があると考えられることから、この説は可能性が低いと思われるようです。
飛行機から落ちた説
飛行機の貨物室が空いてしまい、中にあった物資が落ちてしまった、ということも考えられます。 確かにその可能性はありますが、大量のカエルが荷物から失われたとしたら、何かしらの記録が残るのではないでしょうか。
何者かのイタズラ説
誰かがイタズラで人為的にものを降らしている可能性も否定できません。 しかし、人間が空を飛ぶ手段がない時代に起こったケースや、イタズラのレベルでは難しい数の物質が降ることもあるため、すべての現象をイタズラとして片付けるのは難しいでしょう。
集団による錯覚説
カエルの落下現象を中心に説明されるのが、錯覚説です。
カエルが大量発生して、その群れが町に現れた場合、これを「空から降ってきたのだ」と錯覚しているのではないか、とも考えられるそうです。 カエルの落下については、実際に落下する瞬間を目撃した証言が少なく、落下によって死亡したであろうカエルの死骸なども記録にないことがあるのです。
その他のケースについては当てはまらないと言えますが、カエルについては有力な説だと考えられているそうです。
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わからないのが怪奇現象の魅力
ファフロツキーズは、原因が説明できるものと、そうでないものがあるようです。 しかし、幽霊やUFOがそうであるように、人が説明できないものの方が、人を魅了することは少なくありません。
ファフロツキーズも原因不明であった方がロマンがあると言えるのではないでしょうか。 とは言え、実際に自分の頭の上に魚やらカエルが降ってくるのは、ちょっと遠慮したいところですね。