濃霧に包まれるドバイの街がすごい!発生の原因や危険性とは

アラビア半島にあるペルシア湾の沿岸に位置するアラブ首長国連邦。その最大の都市であるドバイは、石油資源をベースに経済を発展させ、今では世界有数の観光地として知られています。
そんなドバイですが、高層ビルが濃霧に包まれる景色が美しい絶景として有名です。ドバイの濃霧はどのようにして発生するのでしょうか。ドバイの濃霧の原因をご紹介します。
絶景!ドバイのビル群を包む濃霧が凄い
ドバイと聞くと砂漠の風景を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実際は天を穿つような高層ビルがいくつもそびえる姿が有名です。 そして、そんな高層ビルたちは10月ごろになると濃霧に包まれます。

何もかも飲み込んでしまいそうなくらい、広範囲に発生する濃霧ですが、ドバイのビル群たちはそれを見下ろす形に。 まるで、雲海を見下ろすような神秘的な景色ではないでしょうか。

ドバイには世界一高いビルとして有名な「ブルジュハリファ」が存在します。 濃霧が発生すると視界が悪くなるため、気象警報が発令されることもありますが、全高は829.8メートルに至るこのビルは、もちろん濃霧の影響は受けません。
とは言え、これだけ圧巻の景色を生み出す濃霧は、何が原因で発生しているのでしょうか。
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なぜドバイでは濃霧が発生するの?
砂漠気候であるドバイで濃霧が発生する理由。それはペルシア湾に面していることが大きく関係しています。 ペルシア湾に面したドバイでは、海から湿った空気が流れ込んできますが、夜から早朝にかけて気温が低下すると、空気中の水蒸気が凝固しやすくなり、霧が発生するのです。
もう少し詳しく説明すると、ドバイは砂漠気候であるため日中は地表が熱せられますが、夜間になると水分が少ない砂漠から熱が逃げて急激に冷え込みます。 これによって、上空に暖かい空気、地表付近に冷たい空気の層が発生。 そこにペルシア湾から湿った空気が流れ込むと、冷たい空気は水蒸気を保持できる量が少ないため、凝結が起こりやすくなって、霧が発生しやすくなります。
また、ドバイの急速な都市化による、高層ビル群の密集も関係しています。 ビル群によって空気の流れが遮られ、地表付近に冷たい空気が滞留しやすくなり、都市部の熱が周囲の気温を高めて水蒸気の凝固を促している、とも考えられているのです。
ただ、ビルの上から見下ろす分には美しい光景ですが、濃霧による視界不良は交通機関に影響し、事故発生といった問題もあります。 もし、ドバイを訪れることがあれば、濃霧には注意しましょう。
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濃霧だけじゃない!ドバイを困らせる自然現象
ドバイで発生する特徴的な自然現象は濃霧だけではありません。 それは年に数回起こる砂嵐です。
ドバイを含むアラブ首長国連邦では、春から夏にかけて「シャマール」と呼ばれる季節風が吹き、砂塵を広範囲に運びます。 砂嵐と言っても、押し迫る壁のようなものではなく、視界がぼんやりとしてしまう程度に、街を覆うというもの。 砂嵐による問題は、視界不良による交通機関の影響だけでなく、健康やインフラに悪影響を及ぼします。
健康面に関しては、砂塵に含まれる微細な粒子によって、呼吸器系疾患やアレルギー症状を引き起こす恐れが。インフラに関しては、砂塵が建物や機械に付着し、故障の原因になること。風に乗った砂塵が建物に衝突し、窓ガラスを破損させることがあります。
また、ドバイは観光都市であるため、砂嵐の影響で観光客の活動が制限されてしまうことも。 ドバイに観光へ行くことがあるのなら、砂嵐に関しても注意したいところですね。
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自然現象は美しいだけじゃない
このように、ドバイの濃霧は美しい光景のようでも、注意しなければいけない点があります。 濃霧だけでなく、自然現象は人間にとって危険な存在となり得ることも少なくありません。
また、私たちの活動が自然を歪めてしまい、さらに恐ろしい問題を引き起こすこともあるのです。 私たちが平穏な生活を続けるためには、自然をよく知り、負荷をかけないような生活を心掛ける必要があります。 いま地球で起こっていることを知り、適切な距離で自然と付き合えるよう、これからは少し意識してみましょう。
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