前人未踏の地10選!人が踏み入れていない地域の特徴を解説

人間は科学を発展させ、さまざまな移動手段を得ては地球のあらゆる場所を移動してきました。 しかし、この地球上にはまだまだ「人類未踏の地」と言われる場所が存在しています。 人類はどのような場所に踏み入れていないのでしょうか。 こちらの記事では人類未踏の地と言われる地域をご紹介します。
目次
地球は広い?いまだに前人未踏の地10選
ここでは以下の10の前人未踏の地をご紹介します。
- カルジャンI峰
- ガンカー・プンスム
- 梅里雪山
- ノーザン・フォーレスト
- サハ共和国
- ナミブ砂漠
- スルツェイ島
- 北センチネル島
- ジャヴァリ谷
- 多くの海底
どのような理由があって人類はこれらの地に踏み込めずにいるのでしょうか。それぞれの特徴を解説します。
カルジャンI峰
カルジャンは中国チベット自治区とブータン国境付近にある山で、ヒマラヤ山脈に属しています。 その最高峰である「カルジャンI峰」は標高7,221メートルとなり、世界で2番目に高い未踏峰です。
2001年にオランダ隊が登頂に挑戦していますが失敗。2010年にアメリカの登山家であるジョー・パーイヤーとデイビッド・ゴットリーブも挑戦していますが、やはり失敗しています。 なぜ、誰もが登頂に失敗してしまうのか。それは非常に切り立っているだけでなく、非常に天候が悪いからと言われています。
ガンカー・プンスム
ガンカー・プンスムは中国とブータンの境界にある山で、人類が登頂に成功していない中でも最高峰と言われています。
標高は7,570メートルと高く、1983年にブータンが登山を解禁してから、4つの遠征隊が登頂に挑戦していますが、いずれも失敗。 新たな挑戦者が現れると思われましたが、1994年にブータンが6,000メートル以上の山に登ることは宗教信仰に反するとして禁止にします。
さらに、2003年からはブータン国内であらゆる登山が完全に禁止になったため、ガンカー・プンスムに挑戦する登山者はしばらく現れないと考えられるでしょう。
梅里雪山

梅里雪山(ばいりせつざん)は中国の雲南省デチェン・チベット族自治州にある、連山の総称で標高は6,740メートル。 地形も気候も登山に挑戦するためには非常に厳しいだけでなく、チベット仏教の聖地であることから、登山は神聖な山を汚すといった考えが根強くありました。
チベット仏教徒による巡礼登山も山腹にある寺院までとしていましたが、1902年ごろから登頂が試みられ、アメリカやイギリス、日本などが数回登山隊を派遣します。 しかし、すべて厳しい気候によって失敗に終わり、1991年の日中合同学術登山隊17名による登頂は雪崩の直撃を受けて全滅する遭難事故が発生。 これは中国の登山史の中でも最悪の犠牲者数でした。
そして、2000年に雲南省デチェン・チベット族自治州徳欽県人民大会で信仰と文化の尊重のため、将来にわたって登山活動は禁止されることが正式に立法。 梅里雪山は未踏峰のままとなりました。
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ノーザン・フォーレスト
ノーザン・フォーレストは、ミャンマーの北部にある地域で、非常にアクセスが困難であるため、未開発の自然が多く残されています。 そのため、非常に生物多様性が豊かな地域であり、ユキヒョウ、レッサーパンダなどの珍しい動物も生息しているほどです。
また、ノーザン・フォーレストでは世界最大のトラの保護区である「フーコン渓谷野生動物保護区」も有名ですが、コハクや金の産地としても知られています。 そのため、金採掘などの脅威にも直面し、今後も保護活動が必要な地域とも言えるのです。
サハ共和国

サハ共和国はロシア連邦を構成する行政区画の1つで3,103,200平方キロメートルという広大な面積を有しています。 しかし、その多くは永久凍土に覆われ、冬はマイナス50度以下になることも珍しくありません。
また、面積が広いにも関わらず道路や鉄道といった交通インフラが整っていないこともあり、サハ共和国には人が足を踏み入れたことのない地域が存在していると考えられるのです。 ちなみにサハ共和国では、永久凍土の影響でアスファルトによる舗装が難しく、道路は粘土で舗装されています。 それも雨になると泥沼と化してしまうため、バスが立ち往生することがあるようです。
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ナミブ砂漠

ナミブ砂漠はナミビア共和国にある砂漠で、その広さは約50,000平方キロメートルに及ぶほどです。 世界最古の砂漠と考えられ、ナミブとは主要民族であるサン人の言葉で「何もない」を意味しています。 こちらも砂漠特有な過酷な環境で、日中は40度を超えて夜間は氷点下まで冷え込むため、人間が自由に活動できません。
また、世界最大級の砂丘郡は風によってその形を常に変化させます。 そのため、人間も移動が困難であり、方向を見失いやすい環境でもあり、広大な地域の調査が困難となっているのです。 ナミブ砂漠は過酷な環境ではありますが、ユネスコ(UNESCO)の世界遺産リストに登録され、観光地としても知られています。
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スルツェイ島

スルツェイ島はアイスランドの南にある無人島です。 しかも、1963年に海底火山の噴火により出現した、比較的に新しい島と言う特徴があります。
ユネスコの世界遺産に登録されるこの島ですが、なぜ未踏の地なのでしょうか。 それは人間が介入しないことで、どのように動物や植物が誕生するのかデータを取る、という研究するために使われているからです。
結果、海鳥が植物を運び込み、噴火の1年後にはカビ、細菌、菌類が出現。その2年後には維管束植物が観察され、2004年には75種のコケ植物、71種の地衣類、24種の菌類と60種の維管束植物が見られました。 1970年代からはフルマカモメとハジロウミバトが住み着き、1983年からアザラシの繁殖が始まっています。
島にある唯一の建物は研究者用の簡素なプレハブ小屋1棟のみ。 学会から許可を得た科学者以外は立ち入りが禁じられています。
北センチネル島
北センチネル島はインド洋東部ベンガル湾内に所在する未開の島です。 未開の島として有名な北センチネル島ですが、人間がまったく存在しないのかと言ったら、そうではありません。
実は先住民であるセンチネル族が50~400人程度は居住していると推測され、彼らは外部との接触を強く拒否している、という文明と隔離された環境です。 興味を持って島に訪れようとする人もいますが、住民と衝突することを避けるため、上陸者はインド警察によって逮捕されるケースもあります。
ジャヴァリ谷

ジャヴァリ谷もブラジルにある先住民区域となります。その面積は85,444.82平方キロメートルにおよび、オーストリアを超える広さです。 ブラジルは憲法で先住民の居住地域における生活権を認めているため、違法な採掘や伐採、農地開発などからこの地は守られています。
しかし、これらを完全に防いでいる、とは言い切れない状況です。 また、ブラジルには国立先住民保護財団と呼ばれる、先住民族の利益と文化を保護するための機関がありますが、大幅に予算が削減された過去があり、今度の動向が注目されています。
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多くの海底
地球の約70%が海と言われていますが、その70%が深海だということをご存じでしょうか。 つまり、地球のほとんどが深海ということになりますが、人類はそのほとんどを解明していないのです。
水深200メートルの地点では太陽光は海面の0.1%しか到達せず、高水圧のため潜水艇や通信手段も限られています。 そのため、深海は調査が困難であり、人類が知らない生物や物質が存在してもおかしくありません。
だとしたら、人類は進歩を続けて高度な文明を手に入れたようでも、実は地球のほとんどを理解していないことになりますね。
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前人未踏の地に広がる自然
このように、前人未踏の地と言える場所は地球上にまだまだ存在しています。 しかし、逆を言えば到達できる自然に関しては、その多くが人間の手が入っていると言えるかもしれません。
私たち人間の活動は自然から多くの資源を取り出し、そのバランスを奪ってしまいます。 それが過度に進んでしまった地域は、取り返しのつかない汚染にさらされてしまうのです。
人間が今後も地球上で暮らしていくためにも、自然と共存を心掛け、環境を守る意識が必要と言えます。 ひとりひとりができることは少ないかもしれませんが、多くの人が注意するだけで守られる自然があるはずです。
例えば、ごみはしっかり分別する、不用品はリユースを心掛ける、マメな節電を意識するなど。 小さなことでも構いません。できることから、環境に負担をかけない生活に挑戦してみてください。
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