なぜかジャングルでクジラを発見!アマゾンで起こったミステリー
クジラと言えば、海に住む大型の哺乳類です。
時々、浅瀬や海浜に乗り上げてしまうことはありますが、陸地でクジラが発見されることはあまり想像ができません。
しかし、そんな信じられないことが起こったようです。
アマゾンのジャングルの中で発見されたクジラをご紹介します。
アマゾンの陸地でクジラを発見
2019年の2月、アマゾンで生い茂るマングローブの中に、ザトウクジラが発見されました。
生物学者のグループが発見したときは、ザトウクジラはお腹を上に向けて、既に死んでいました。
体長は8メートルほどで、ザトウクジラの子供であることがわかっています。
あまりに意外な場所だったためか、死骸を漁るためにハゲワシが集まっていなければ、発見できなかったそうです。
このザトウクジラは子供であることから「親とはぐれて迷い込んでしまったのでは?」と思う人も多いでしょう。
しかし、ただはぐれたクジラというわけではなく、この発見は専門家でも首を傾げるほどの謎だったのです。
なぜなら、クジラが発見された場所は、15メートルも水源から離れた場所だったからです。
また、クジラがそこにるはずのない理由がもう一つありました。
ザトウクジラとは
謎に迫る前に、ザトウクジラがどのような動物なのか、ご説明します。
ザトウクジラとは、クジラ目ヒゲクジラ亜目ナガスクジラ科のヒゲクジラの一種です。
標準的には、体長は11から14メートルの中型ですが、南半球では大型種に匹敵するほど巨大な個体も存在します。
ザトウクジラは海岸線で見られるクジラで、オキアミやプランクトン、小魚を餌とします。
ザトウクジラの大きな特徴は、歌を歌うことです。
オスのザトウクジラは、冬の暖かい海で、低い音から高い音まで様々な音を組み合わせて鳴きます。
長いときは、数時間に及んで歌い続けることもあるそうです。
冬の暖かい海では、ザトウクジラが交尾や出産、子育てを行うことから、この歌はメスへの求愛ではないか、と言われています。
陸地で発見された原因は…?
不思議なのは、クジラがなぜ陸地で発見されたか、ということです。
発見された場所は沿岸部から15メートルも離れた場所であり、仮に迷い込んだとしても、そこまで移動したとは考えにくいのです。
何者かが運んだとしても、その形跡が残るはずですが、それらしきものはなかったそうです。
そして、この事件にはもう一つ大きな謎があります。
通常、ザトウクジラはブラジル沖に生息していますが、2月頃は南極へと移動しています。
そのため、発見された場所から6400キロは離れた場所に存在しているはずなのです。
これは、移動中に他のクジラとはぐれてしまった、というレベルではないでしょう。
現在、このザトウクジラがなぜアマゾンで死んでいたのか、自然保護団体が調査をしています。
その自然保護団体によると、クジラが発見された場所は陸地から流れる淡水と海水が混合する場所のため、潮によってはクジラがマングローブの中に押し流されることも考えられるそうです。
ただ、2月のこの時期にクジラがブラジル周辺にいることはあり得ないため、詳しい原因はやはり調査が必要でしょう。
クジラに何があったのか
発見されたクジラが、なぜいるはずのない場所で死んでいたのか。
それは簡単には解明されることはないようです。
ただ、これが環境問題や人間の悪意によって起こってしまった悲劇ではない、と信じたいところです。
そして、再びこのようなことが起こらないように、調査が進んで原因が解明されたことを祈るばかりです。