孤立部族は今も存在!文明と離れて生活する未接触部族とは?

孤立部族は今も存在!文明と離れて生活する未接触部族とは?

これだけ文明が発達した現代ですが、今もアマゾンなどの奥地などに孤立部族が存在することをご存じでしょうか。 現代文明に頼ることなく、隔離された環境で暮らす孤立部族の生活は、今の私たちには信じがたいことかもしれません。

そんな珍しい孤立部族の人々は、少しずつ減少しています。 それは時代の流れもありますが、環境問題も関係しているのでした。

孤立部族とは?未接触部族が存在する

現代に生きる私たちは、さまざまな文明の恩恵を受けています。 世界中の誰もが、何らかの機械を利用していると思いがちですが、そういった文明に頼らない孤立部族が存在しています。 彼らを未接触部族、あるいは非接触部族と言い、先住民の保護に取り組むNGO「サバイバル・インターナショナル(Survival International)」によると、2013年の時点で世界中に100以上も孤立して暮らす部族が存在しているとのことです。

未接触部族が確認されている地域は、アマゾン熱帯雨林を中心とする南アメリカ大陸、インドネシア領地域にあたるイリアンジャヤ、インド東部のベンガル湾にあるアンダマン諸島など。 森の奥で暮らす彼らは、私たちからすると未知の存在だと言え、調査が行われることもあります。

しかし、接触を試みようとする外部者に対し、未接触部族は激しい拒否反応を見せることもあり、その実態がどんなものなのか、簡単に把握はできません。 実際に、外部者に対し弓矢で攻撃、調査で飛んでいた飛行機に矢を放ったという事例もあるほどです。

代表的な孤立部族!未接触部族はどこに?

孤立部族の中でも、ある程度はその実態が判明していることがあります。 そんな比較的に存在が知られている孤立部族の例をご紹介します。

マシコ・ピロ族

ペルーのマヌー国立公園に数百人ほど存在すると言われる、マシコ・ピロ族。 狩猟採集民族であるマシコ・ピロ族は、密林で生活する部族ですが、近年では林の外に姿を現すことが増え、ペルー政府の悩みとなっています。

ほとんどの接触は友好的なマシコ・ピロ族ですが、時として暴力的になるのです。 ペルーの2つの村が弓矢で武装したマシコ・ピロ族に襲撃される、観光ガイドが竹矢で殺害されるという事態もありました。

センチネル族

センチネル族は、アンダマン諸島の北センチネル島に住む部族です。 人口は50~400人ほどと考えられ、非常に排他意識が強い部族として知られています。

2004年には、スマトラ島沖地震の際、救援物資輸送のヘリコプターがセンチネル族によって攻撃されることがあり、2006年にも島に漂着したインド人2名が殺害されました。 回収に向かったヘリコプターまで攻撃されたため、インド人2名の遺体は現在も回収に至っていません。

2018年にもアメリカ人の宣教師が、センチネル族に接触を試みて殺害されましたが、インド政府およびアンダマン・ニコバル諸島当局は、この島を「治外法権」と考え、今後も干渉しない方針を示しています。

ヤノマミ族

アマゾンの熱帯雨林からオリノコ川にかけてひろく居住している南米の先住民族、ヤノマミ族は約3万8000人に存在すると言われる、最大規模の未接触部族です。 ヤノマミ族は100以上の部族、氏族で村ごとに別れて暮らし、民族内部での戦争状態が断続的に続いています。 2009年にはNHKで、ヤノマミ族を150日間同居取材したドキュメンタリー番組が作られ、シリーズとしていくつか放送されました。

中でもアマゾンでブラジル政府に保護され「アウラ」と「アウレ」と名付けられた二人の特集は話題になりました。 二人は周辺の未接触部族とは異なる言語を使い、理解できる人は誰もいない、未知の部族だったのです。 しかも、彼ら二人の仲間は既に存在せず、その部族にとって最後の生き残りだと衝撃的な事実も判明しました。

孤立部族は環境問題の犠牲に?未接触部族の行方

このような孤立部族は、少しずつ減少しています。 その原因は、文明を持つ私たちによる開発が大きいところになります。 例えば、南アメリカでは違法な森林伐採や石油・ガスの採掘によって、孤立部族の生活地が失われています。 他にも、ブラジルの違法金採掘業者によって、未接触部族の虐殺が発覚する、という事件もありました。

また、未接触部族は感染症に対する免疫力が不足している可能性があります。 そのため、文明人による未接触部族への接触は、病気の伝染によって大幅に構成員を減少させるリスクがあると考えられているのです。

2020年に世界的に流行した新型コロナウイルスは、ヤノマミ族にも到達し、死者も出ました。 この原因は、鉱山業者が違法に入り込んだことが原因だと考えられています。

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