外来種アリゲーターガーとは?日本にきた理由や危険性は

外来種アリゲーターガーとは?日本にきた理由や危険性は

水辺を歩いていて、ワニのような大きな魚を発見したら……それはアリゲーターガーかもしれません。 もしアリゲーターガーと遭遇したら、凶暴な見た目をしていますが、近付いても大丈夫なのでしょうか。 また、日本の自然環境で育ったように見えないアリゲーターガーは、どのような生態系なのか、という点も気になるところです。

今回はアリゲーターガーの生態と特定外来生物としての危険性をご紹介します。

アリゲーターガーとは?恐竜時代から生きる古代魚

アリゲーターガーとは、ガー目ガー科に分類される古代魚で、その名の通りアリゲーター(ワニ)を連想させるような、長い吻(動物の体において、口やその周辺が前方へ突出している部分)が特徴です。

非常にサイズが大きいこともアリゲーターガーの特徴で、2メートルを超える個体も珍しくありません。 最大級の記録では、1953年に捕獲された全長3メートル超え、体重104キロという個体もあるほどです。

アメリカやメキシコを中心に分布し、大型の河川や湖をはじめとする流れが穏やかな場所を好み、中には海域に生息する個体も。 食性は肉食で、主に他の魚類や甲殻類を食します。

また、アリゲーターガーの寿命は非常に長く、野生化であっても50~70年ほど。 さらに、アリゲーターガーの先祖はジュラ紀から白亜紀に存在していたと考えられ、恐竜と同じ時代からほとんど姿を変えることなく、現在まで存在している魚だと言われています。

アリゲーターガーは特定外来生物

現在、日本ではアリゲーターガーは問題がある生物として注目されています。アリゲーターガーが問題される理由と原因をご紹介します。

日本で目撃情報が増えるアリゲーターガー

アメリカやメキシコに分布するはずのアリゲーターガーですが、ここ数年で日本全国の河川や池で目撃され、問題視されています。 東京の多摩川や荒川で報告された他、愛知県の名古屋城のお堀、富山県の田んぼ近くにあった水たまりで発見されるなど、目撃情報が絶えません。

アリゲーターガーは寒さに強く、日本の冬にも適応が可能で、複数存在すれば繁殖してしまい、自然環境に大きく影響を与えると考えられています。 そのため、2018年2月からガー科単位で特定外来生物に指定され、さまざまな規制がかけられています。

特定外来生物に指定された原因

アリゲーターガーが特定外来生物に指定されるほど、日本の生態系に入り込んでしまった原因は、飼育個体が捨てられてしまったことによります。

かつては幻のガーと呼ばれるほど高価だったアリゲーターガーですが、1994年に大量輸入が始まり価格が暴落。 安易に飼育することが可能となり、同時に河川や湖へ放流されるようになってしまいました。

特定外来生物に指定された生物は、在来種を捕食する恐れもあり、アリゲーターガーの今後が注目されています。

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アリゲーターガーを見つけたら?飼育はOK?

特定外来生物に指定されたアリゲーターガーに遭遇した場合、私たちはどのような行動を取るべきなのでしょうか。 アリゲーターガーをはじめとする、特定外来生物に指定された生物は飼育や運搬、譲渡は規制されています。

そのため、アリゲーターガーの飼育はNGです。 しかし、もしかしたら釣りに出かけて、偶然にもアリゲーターガーを釣り上げてしまうことも考えられます。

アリゲーターガーは捕獲に関して規制はないため、釣りあげてしまっても問題はありません。 ただ、特定外来生物法で外来生物の運搬、譲渡は規制されています。 公道を超えて生態を移動させることは禁止されている「運搬」となってしまうため、注意が必要です。

ちなみに、環境省はアリゲーターガーを含む特定外来生物を見つけた場合は、不用意に捕まえることはせず、その場所の管理者や行政機関に相談することを勧めています。 中には危険な生物も存在するため、慌てずに行動しましょう。

参考:環境省 外来生物法に関するQ&A

アリゲーターガーなど特定外来生物の問題

特定外来生物による問題は非常に深刻なものです。 環境のバランスを崩す、遺伝子汚染を起こすなど、生態系に影響する他、農林水産が被害を受ける、最悪の場合は毒を持った生物が紛れ込み、人の命を奪ってしまうことも。

しかし、特定外来種が入り込んでしまう原因は、人が持ち込んでしまうケースがほとんどです。 自身で特定外来生物を持ち込んでしまうことがないよう、その原因と危険性をしっかりと理解しておきましょう。

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