里地里山とは?意味・定義からメリット課題など簡単解説
里地里山というワードを耳にしますが、その意味や定義まで把握している方は意外に少ないかもしれません。 里地里山は私たち人間の生活を支えてくれる重要な環境ですが、さまざまな影響によって失われつつあります。 こちらの記事では里地里山の意味からメリット、抱えている課題などを簡単に解説しています。
目次
里地里山とは?意味や定義を簡単解説
里地里山(さとちさとやま)とは、自然と都市の中間に位置する、集落や水田、干潟、溜池、草原などで構成された地域のことです。 人間が食料や木材など自然資源の供給を目的として手を入れるため、その環境が維持されていることが大きな特徴と言えます。
意外に感じるかもしれませんが、放置された自然は藪に覆われて光が当たらず、生物が育つ環境が維持できません。 しかし、草刈りや伐採など人の手が入ると日の光が届いて、豊かな生物多様性が維持される環境となるのです。
ちなみに、厳密に言うと「里地」と「里山」は同じものではありません。
- 里山=山(林):薪がとれる雑木林、タケノコを採る竹林、針葉樹の植林地など
- 里地=平地・集落を含む範囲:田んぼ、畑、ため池、水路、家屋などを取り囲む空間
里山は里地に含まれる要素の1つと言えるでしょう。 環境省などの行政用語では、山と農地がセットになって1つの生態系を作っていることから、合わせて「里地里山」と呼ばれています。
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里地里山のメリットとは?
里地里山の存在は、私たちの生活を支える環境でもあります。私たちにもたらされる里地里山のメリットは以下の通りです。
- 生物多様性の保全
- 防災・減災と国土保全
- 脱炭素への貢献
それでは、それぞれのメリットを見てみましょう。
生物多様性の保全
里地里山は人の手が適度に入る環境のため、林や湿地は日の光で明るく多様な生物が存育まれる環境です。 そのため、地域によっては、メダカ、赤トンボ、カタクリなど絶滅危惧種の保護も可能となる環境となっています。 田んぼや水路、畑など生物にとって隠れる場所や餌場が豊富なだけでなく、かつては落ち葉を肥料に、薪を燃料にするなど、人にとっても必要な自然資源を得られる環境でした。
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防災・減災と国土保全
人によって適切に管理されている里地里山は、防災や減災の役割を果たしてくれます。 例えば大雨が降ったとき。森林や田んぼといった場所は雨水を一時的に蓄え、ゆっくりと地下へ浸透させます。 これにより、洪水が防がれて豊かな地下水も育まれるというメリットがあるのです。
他にも、木々の根は土壌をつなぎとめる力があり、土砂崩れや表土の流出を防ぎます。 地面がむき出しの裸地は、森林の植物で覆われている環境に比べると、約150倍の土壌が流出するという結果もあるほどです。
脱炭素への貢献
そして、樹木は成長する過程で多くの二酸化炭素を吸収するといった特徴があるため、脱炭素に貢献します。 さらには、伐採した木や竹をチップとして利用すれば、化石燃料に頼らないエネルギーの循環につながるといった役割も。 これはエネルギーを地域内で調達するため、遠方から燃料を運ぶ際の輸送による二酸化炭素排出も抑えられます。
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里地里山の課題とは?減少による問題
多くの恵みをもたらしてくれる里地里山ですが、以下のような理由から、その機能を失いつつあります。
- 都市化による減少
- 過疎化や高齢化による管理不足
- 野生鳥獣被害の深刻化
それぞれの問題を見てみましょう。
都市化による減少
里地里山は都市部に近い地域も多く、住宅地や商業施設へ転換されやすいという性質があります。 そのため、開発の対象として選ばれやすい、という側面も。 特に高度経済成長期は多くの里地里山が開発の対象となり、失われてしまいました。
最近では、再生可能エネルギー施設へ転換するため、里地里山が破壊されてメガゾーラ―が設置されるケースも見られ、脱炭素のために自然が破壊される矛盾と、防災リスクの増大が指摘されています。
過疎化や高齢化による管理不足
開発による里地里山の減少も問題ですが、農家や林業従事者の減少といった、過疎化・高齢化によって管理が放棄されている状況も深刻です。 かつては薪や堆肥として里地里山から資源を得ることも少なくありませんでしたが、化石燃料や化学肥料への転換によって、管理する経済的なメリットが失われてしまいました。
これにより、定期的な草刈りや枝打ち、水路の掃除が行われないなど、人の手が入らなくなり、林内は真っ暗な藪に覆われることに。 結果、明るい環境を好む動植物が減少。放置された竹林が驚異的なスピードで広がり、雑木林を飲み込んでしまう「竹害」も起こってしまうのです。
野生鳥獣被害の深刻化
昨今、野生動物が都市部に降りてくるケースが多く見られますが、これも里地里山の減少が関係しています。 里地里山は人間と野生動物の境界線といえる地域です。 しかし、里地里山が管理されず暗い密林が増えると、動物たちは身を隠しながら、田んぼや民家の軒先まで移動するようになります。 さらに、餌場としても魅力的だった里地里山が失われると、動物たちはリスクを冒しても人里に下りるという選択肢を取ってしまうのです。
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里地里山を守るためには
このように里地里山が失われると、私たち人間に多くのデメリットが生じてしまいます。 里地里山を始めとする環境問題は、個人的な行動で解決することは非常に困難です。 そのため、自分には関係ないと目を背けてしまう方も少なくないかもしれません。
しかし、環境問題に対して個人が貢献する手段は少なからず存在しています。 例えば、節電やリサイクルを心掛けるといった行動が挙げられますが、リユースを意識することも効果的です。 リユースとは再利用を意味する言葉で、繰り返しモノを使うといった行動も該当します。 詰替品、マイボトルの利用やシェアリングサービスの利用もリユースに当たりますが、昨今ではフリマアプリで不用品を売買するといった行動も見られます。
リユースは廃棄物の削減だけでなく、モノを大切に使う意識を高めてくれる行動です。 他にもリユースにあたる行動は数多くありますので、ぜひ身近なことから始めてみてください。
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