人口が増え続けたらどうなる?考えられる問題と原因を解説

人口が増え続けたらどうなる?考えられる問題と原因を解説

日本では少子化が問題になっていますが、世界的には人口が増え続け、対策の必要性が指摘されています。 100年前は約18億人だった世界人口は、2022年の時点で80億人を超えるほど。 このまま人が増え続けたら、どのような問題が起こるのでしょうか。

今回は人が増え続けたら起こる問題や、その原因をご紹介します。

人口が増え続けたらどうなる?考えられる問題は

人口が増え続けると以下のような問題が、より深刻になると考えられています。

  • 資源の枯渇
  • エネルギーの枯渇
  • 食糧不足
  • 貧困の悪化
  • 環境問題の悪化

これらの問題が、どのような形で人口の増加と関係しているのか見てみましょう。

資源の枯渇

私たちが日常的に使用している、あらゆるものは地球の資源から作られています。 例えば紙や鉄、木材など、すべてのものが地球の資源がもとになっているのです。

しかし、これは限りがあります。 もし、人口が増え続けて、今以上に多くの日用品が消費され続けたら、いずれ資源は枯渇してしまうでしょう。 そうなれば、日常の中で当然のように使っていたものが失われ、工業製品や電子機器も手に入らず、これまででは考えられないような不便を強いられるかもしれません。

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エネルギーの枯渇

広い範囲で考えると、これも資源の1つですが、人口増加によるエネルギーの枯渇も懸念される問題です。 人口が増え続ければ、今以上に電気やガスが必要とされます。

電気もガスも化石燃料を使用してエネルギーに変換していますが、消費量が増えてしまえばこれが尽きることに。 夜は電気がつかない、暑くても冷房 が利用できない、自動車も動かないといった状況も考えられるでしょう。

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食糧不足

こちらも資源の1つになりますが、食糧不足も人口増加の影響で深刻化すると考えられます。 人が増えれば、その分だけ食糧が必要とされることは当然のことです。

しかし、穀物を育てるための畑、畜産のために必要な土地も限られています。 今以上に人が増えてしまえば、これらを確保できず、食糧供給が追い付かないことも考えられるのです。

また、水の惑星と言われる地球ですが、そのほとんどは海水であり、人が飲める淡水はわずかなものです。 こちらも、人が増えれば増えるほど、生活用水 や工業用水も必要となり、やがて枯渇してしまい、水資源を巡る紛争が起こることもあり得ます。

さらに、食糧の生産や輸送の過程でエネルギーと水が大量に消費されるなど、人が増えることで資源は連鎖的に枯渇してしまうと言えるのです。

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貧困の悪化

人が増えて資源が限られてしまうと、それを持つものと持たないもので、大きな経済格差が生まれてしまいます。 この経済格差によって、貧困層が増加。 さらには、雇用の競争も激化すると考えられるため、仕事にありつけない人が増えてしまうでしょう。

質の高い雇用機会は限られ、低賃金で不安定な仕事が増えてしまい、より経済格差が拡大し、貧困に苦しむ人が増えるかもしれません。

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環境問題の悪化

人が増えると、食糧を生産するために森林伐採や耕地の拡大が必要になります。 さらには、エネルギーの生産量、人の移動も増えるため、温室効果ガスがさらに排出され、気候変動も悪化。 動植物の数は減少して、今まで確保できていた資源も失われてしまうことになります。 環境問題が進んでしまったら、最悪の場合は地球に住めなくなることも考えられるでしょう。

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なぜ人口は増え続ける?3つの原因

なぜ、人は爆発的に増えてしまったのでしょうか。多くの要因がありますが、ここでは以下の3つを挙げます。

  • 医療技術の進歩による長寿化
  • 作物生産の向上
  • 発展途上国の出生率

それぞれの原因を詳しく見てみましょう。

医療技術の進歩による長寿化

医療技術が進歩したことで、昔に比べると多くの病気が治療可能となりました。 予防接種や健康診断など、事前に病気を防ぐ手段も増え、死亡率は低下しています。

また、かつては医療技術が不十分だったため、妊産婦と幼児の死亡率も高かった、ということも関係しています。 他にも、公衆衛生が改善されたことで、病気にかかる人が減ったことも関係していると言えるでしょう。

作物生産の向上

医療技術と同じで、かつてに比べると作物の生産技術が向上しました。 そのため、多くの人が安定した生活を送れるようになり、人口増加につながったと言えるでしょう。

しかし、問題点として挙げたように、需要と供給のバランスが崩れてしまったら、すべての人に食糧が行き届かなくなります。 今後は、新たな技術や食資源が必要とされるかもしれません。

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発展途上国の出生率

発展途上国は先進国よりも出生率が高く、人口増加の要因となっています。 なぜなら、発展途上国では子供が労働力として期待されているからです。 さらに、家族計画や避妊に関する知識・手段も知れ渡っていないという問題があり、発展途上国の出生率は高いものとなっています。

人口増加による問題のためにできること

人口はさまざまな原因によって、現在も増え続け、将来的には私たちの生活に大きな影響を及ぼすと考えられます。 この問題のために、私たちが普段から意識できる行動はあるのでしょうか。 身の回りで心掛けられることは以下の3つが挙げられます。

  • フードロスの削減
  • リユース・リサイクルを意識
  • フェアトレード商品を購入する

では、具体的にどういった行動なのでしょうか。

食品ロスの削減

食品ロスとは、本来食べられるはずなのに捨てられてしまう食品のことを言います。 具体的には、賞味期限が切れ、食べきれなかったなどを理由に捨てられてしまう食品です。

食品ロスは年間で472万トン(令和4年度推計値)も排出され、これは1日で考えると、日本人1人当たりがおにぎり約1個のご飯を捨てていると近い量と言われています。 人口が増えれば、今以上に食糧が貴重となり、多くの人に行き渡るよう、無駄に廃棄されるべきではありません。

少しでも廃棄される食品を減らすためにも、食べられる分だけ買う、使い切るといった行動を意識しましょう。

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リユース・リサイクルを意識

食品と同じで、世の中にはまだ使えるにも関わらず、捨てられてしまうものが山のようにあります。 「新商品が出たから」「飽きてしまったから」といった理由で、家電や雑貨を気軽に買い替えていないでしょうか。 これらも限りある資源で作られたものであり、人が増え続けたら気軽に入手できなく恐れもあるでしょう。

資源を大切にする手段の1つとしてリユース・リサイクルが挙げられます。 リユースは「再利用」や「再使用」を表す言葉で、不要になったものは誰かに譲る、空き瓶を花瓶として利用する、といった行動もその1つです。 リサイクルは「再循環」を表し、ごみをしっかり分別する、食品トレーはリサイクルBOXに回収してもらう、などが身近な行動となります。 ぜひ、人が増え続けて資源不足にならないためにも、リユース・リサイクルを意識してみてください。

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フェアトレード商品を購入する

フェアトレード商品の購入は発展途上国を支える手段の1つです。 発展途上で作られた製品は、先進国で低価格で販売されていることがありますが、それらは低コストを追及した結果、現地の生産者に正当な賃金が支払われていない恐れがあります。

しかし、フェアトレード商品は発展途上国の労働者に対し、公平・公正な取引を行っている商品です。 これらを購入することで、発展途上国の生活向上につながり、労働力のために子どもを作るといった行為を防ぐと考えられます。 フェアトレード商品は「国際フェアトレード認証ラベル」が表示されているため、ぜひ買い物のときは意識してみましょう。

持続可能な社会をつくるために

人口が増え続ける問題と同じように、この世界はさまざまな問題によって、成長の限界が指摘されています。 持続可能な社会を実現するため、私たちひとりひとりにできることは限られているかもしれません。

しかし、小さな行動の積み重ねが世界を変えるきっかけとなります。 まずは環境に悪い習慣を意識しつつ、自分にできることは何か、ぜひ考えてみてください。

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